感情をコントロールするためには、「自分の感情を言語化して、正確に把握する」ことが大事です。
それは、「自分の感情を客観的に見る」ということでもあります。
自分の感情を客観的に見ることができたら、「その感情を持つようになった原因は何なのか」ということを考えます。
「あの出来事がきっかけで、このような感情を持った」という感じで。
そして原因がわかったら、「本当にそこまで強烈な感情を持つほどのことだったのか」ということを考えましょう。
具体例を挙げると、「ある人から無視されたことにより、非常に腹が立った」という出来事があったとします。
まずは、「今、自分はすごく腹が立っている」という感情を確認すします。
次に「あの人に無視されたから、腹が立っている」と原因を探ります。
そして「それほど激怒するほどのことだったか」と考えてみます。
そこで少し立ち止まって考えてみると、「でも、あの人は急いでいたな。急いでいたから仕方なく無視してしまったのかもしれない」という考えが浮かんできたりします。そうなると、怒りの感情も収まってきます。
感情的になっていると、論理的に考えることが難しくなります。
しかし、少しだけ時間を作って、改めてその感情が起こった原因を考えてみると、大抵の場合、その感情を落ち着かせることができます。
感情をうまくコントロールするには、現在持っている感情について、「論理的に考える」ことが大事です。
論理的に考えれば考えるほど、感情というのは落ち着いていく傾向があります。
自分の感情について論理的に考えられるようになることは、そう簡単なことではありません。
しかし、適切な訓練を行うことで上達していきます。
自分の感情が高ぶった時に、なるべく論理的に考えることを繰り返すことが実践的な訓練となります。
「論理的に考える力」というのは、「理性」と言い換えることもできます。「理性」は、動物の中で人間のみが仕える武器でもあります。
「感情」は、人間だけでなく、他の動物も持っています。
しかし、理性は人間しか持っていません。
感情が暴走してしまった時に、理性の力で感情にストップをかけられるのは、とても「人間らしい行為」なのです。
どんな人間でも、心の中では、感情が暴走してしまう時はあります。
しかし、そんな時でも、その感情を表に出す前に、理性の力でストップをかけられれば、感情をコントロールできます。
動物のように感情が爆発してしまいそうな時は、人間のみが持つ「理性」を使って、サーカスの動物使いのように、その感情をうまくコントロールしていきましょう。
そのようにして、「理性」を使って、自分の爆発しそうな感情をうまくコントロールできた時は、心地よい達成感を得られるはずです。