しょうの雑記ブログ

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くるり「ばらの花」の歌詞の考察

 くるり「ばらの花」の歌詞の考察を行います。

 

 「ばらの花」は、2001年に発売された、くるり7枚目のシングルです。

 

 オリジナルアルバムでは、2001年に発売された「TEAM ROCK」に収録されています。

 

 

 また、くるりを代表するような曲なので、ベストアルバムにも収録されています。

 

 

 YouTubeにMVがアップされていますので、また聴いたことがない方は、まずはこのMVを見てみてください。

 

www.youtube.com

 

 「ばらの花」は、数あるくるりの楽曲の中でも、特に人気が高い曲で、「名曲」と言われています。

 

 自分も、非常に好きな曲で、今まで数えきれないくらい沢山聴いてきました。

 

 この曲は「メロディ、ボーカル、演奏、アレンジ」がどれも素晴らしいです。

 

 それに加えて、文学的で抒情的な歌詞も本当に素晴らしいです。

 

 この歌詞は、どこか曖昧さがあり、聴く人によって、様々な解釈ができる歌詞です。

 

 そのため、今回は、この歌詞について、「自分なりの解釈」を加えていこうと思います。

 

 歌詞を詳しく見ていき、隠された意味を考察していきます。

 

 この曲の作詞・作曲者は、岸田繫です。

 

 歌詞の全文は、下記のサイトに載っています。

 

www.uta-net.com

 

 

 

 

 

 

 

「ばらの花」の歌詞の考察

雨降りの朝で 今日も会えないや

 まずは、冒頭の歌詞を見ていきましょう

雨降りの朝で 今日も会えないや

何となく でも少しほっとして

飲み干したジンジャーエール

気が抜けて

 

 まず、この歌の主人公は、『今日も会えないや』と言っています。

 

 この主人公にとって大切な人がいて、その人と会えないということでしょうか?

 

 ただ、少し気になるのが、『でも少しほっとして』というフレーズです。

 

 大切な人がいるならば、「会いたい」と思うのが普通です。

 

 でも、この主人公は、会えないことに少しほっとしています。

 

 これはどこか、違和感があります。

 

 もしかすると、「大切な人だけれど、会うと緊張してしまう人」なのかもしれません。

 

 その後、主人公は、ジンジャーエールを飲みます。

 

 『気が抜けて』という歌詞が出てきますが、これはおそらく、「ジンジャーエールの炭酸が抜けている」ということと、「ジンジャーエールを飲んで緊張がほぐれた」というダブルミーニングだと思います。

 

安心な僕らは旅に出ようぜ

 次の歌詞も見ていきます。

安心な僕らは 旅に出ようぜ

思い切り泣いたり笑ったりしようぜ

 

 『安心』という単語が出てきますが、なぜ急に『安心』という単語がでてくるのか、この時点では、よくわかりません。

 

 そして、なぜ急に『思い切り泣いたり笑ったりしようぜ』と言い出しているのか、この時点では、よくわかりません。

 

 ただ、この後、じっくり歌詞を見ていくと、この歌詞の意味が少しずつわかってきます。

 

 この部分の歌詞では、『僕ら』という言葉が出てきます。

 

 ここから、「この歌詞の主人公は男性である」ということがわかります。

 

相づち打つよ 君の弱さを 探すために

 さらに歌詞を見ていきます。

愛のばら掲げて

遠回りして また転んで

相づち打つよ 君の弱さを 探す為に

 

 ここも、様々な解釈ができるような歌詞です。

 

 『愛のばら掲げて』というのは、好きな人にアプローチしているということかもしれません。

 

 ただ、その後、『遠回りして また転んで』とあるので、そのアプローチは、なかなかうまくいっていないようです。

 

 そして、『相づち打つよ 君の弱さを 探す為に』というフレーズがなんとも意味深です。

 

 これは、好きな人と会話をしている時のことでしょうか?

 

 誰かと会話する場合、『相づち打つ』ことは沢山あります。

 

 ただ、『君の弱さを 探す為に』相づちを打つ人というのは、なかなかいないような気がします。

 

 しかし、よくよく考えてみると、誰かと会話して相づちを打っている時に、その人を観察して、「その人の弱い部分」がなんとなくわかる時も、たまにあったりします。

 

 ここでは、そういったことを言いたいのではないかと思います。

 

 この歌詞を見ると、「この主人公は、好きな人の弱い部分も知りたいと思っている」ということがわかります。

 

踏み込めないまま朝を迎える

 続きの歌詞も見ていきます。

安心な僕らは 旅に出ようぜ

思い切り泣いたり笑ったりしようぜ

僕らお互い弱虫すぎて

踏み込めないまま朝を迎える

 

 ここの歌詞を見ると、主人公と相手の関係性が、なんとなくわかります。

 

 二人は、「お互いになんとなく気があるのはわかっているけれど、恋人にはなっていない」という微妙な関係だと推測できます。

 

 その二人が、どこかで一緒に一晩過ごすことがあったようです。

 

 しかし、お互いに弱虫で踏み込むことができなかったため、特に何もなく、朝を迎えてしまったようです。

 

 この歌詞を見ると、「お互いに好きな気持ちはあるんだろうけれど、うまくいかないもどかしさ」を感じます。

 

でもいない 君も僕も

 曲のブリッジの部分の歌詞を見ていきます。

暗がりを走る 君が見てるから

でもいない 君も僕も

 

 『暗がりを走る 君が見てるから』というのは、何もできないまま朝を迎えてしまったという気まずさによるものでしょうか?

 

 『でもいない 君も僕も』というのは、「お互い好きなのに、うまく結ばれることができず、心がからっぽになっている」ということかもしれせん。

 

何の花に例えられましょう

 さらに歌詞を見ていきます。

最終バス乗り過ごしてもう君に会えない

あんなに近づいたのに遠くなってゆく

だけどこんなに胸が痛むのは

何の花に例えられましょう

 

 ここでは、『最終バス乗り過ごしてもう君に会えない』というフレーズが気になります。

 

 相手の人は、もしかすると、「最終バスに乗って、遠い所へ引っ越してしまう」ということになっていたのかもしれません。

 

 最終バスに主人公も乗るつもりだったようですが、乗り過ごしてしまったようです。

 

 それにより、相手の人と、もう会えなくなってしまったようです。

 

 『あんなに近づいたのに遠くなってゆく』というのは、相手の人と一晩過ごした夜のことを想い出しているのでしょうか?

 

 そこでは、相手と近づいたのに、今では、バスを乗り過ごして、もうその人と会えなくなってしまいました。

 

 主人公は、それにより、胸を痛めているようです。

 

 そしてここで、曲のタイトルである「ばらの花」と関係したフレーズが出てきます。

 

 それが、『何の花に例えられましょう』という部分です。

 

 この主人公は、ここでおそらく、「ばらの花」を思い浮かべています。

 

 そして、「ばらの花のトゲが刺さる傷み」も想像しています。

 

 おそらく、「この胸の痛みは、ばらの花のトゲの痛みと似ている」といったことを考えているのでしょう。

 

 この部分を見ると、「作詞家としての岸田繫の凄さ」を感じます。

 

 ここでは、「ばらの花」という単語は、出てきません。

 

 しかし、それにも関わらず、この部分の歌詞を見ると、聴き手が「主人公は、きっと、ばらの花を思い浮かべているんだろうな」と推測することができます。

 

 こういった歌詞の作り方は、本当に巧みだなと感心します。

 

曲の最後の部分の歌詞

 曲の最後の部分の歌詞を見ていきます。

ジンジャーエール買って飲んだ こんな味だったっけな

ジンジャーエール買って飲んだ こんな味だったっけな

安心な僕らは旅に出ようぜ

思い切り泣いたり笑ったりしようぜ

 

 ここでジンジャーエールを飲んでいるのは、おそらく、曲の冒頭で主人公がジンジャーエールを飲んでいたことと関係しています。

 

 雨降りの朝に、好きな人に会えなかった時、主人公はジンジャーエールを飲んでいました。

 

 もしかすると、主人公は、それ以来、ジンジャーエールを飲んでいなかったのかもしれません。

 

 「好きな人に会えなかった雨降りの朝、ジンジャーエールを飲んだな」ということを想い出して、久々にジンジャーエールを飲んでみたのでしょう。

 

 おそらく、久々に飲んだので、『こんな味だったっけな』と思ったのでしょう。

 

 そしてこの後、また、『安心な僕らは旅に出ようぜ』『思い切り泣いたり笑ったりしようぜ』というフレーズが出てきます。

 

 最初にこのフレーズが出てきた時は、よく意味がわかりませんでした。

 

 しかし、ここまでじっくり歌詞を聴くと、なんとなくその意味が分かるような気がします。

 

 この主人公は、おそらく、元々、「不安」が強いタイプの人間だと思います。

 

 ただ、「不安」が強いせいで、好きな人に対して踏み込めず、その人ともう会えなくなってしまいました。

 

 そのことに対して、「このままじゃいけない」と思っているのではないでしょうか。

 

 『安心』というのは、「もう自分は安心なんだ」と自分に言い聞かせているように感じます。

 

 そして、『旅に出ようぜ』というのは、「不安を捨てて、新しい世界に飛び込もう」という決意表明のように感じます。

 

 この主人公は、不安が強いせいで、今まで、「感情をはっきりと表に出す」ことが苦手だったように感じます。

 

 ただ、感情をはっきり表に出せなかったせいで、好きな人とも別れることになってしまいました。

 

 そのことを反省して、「これからは、感情をはっきりと表にだすようにしよう」と言う意味で、『思い切り泣いたり笑ったりしようぜ』と言っているのではないでしょうか。

 

 この部分の歌詞からは、「自分を変えて、新しい世界に踏みだそう」という主人公の意志が伝わってきます。

 

 

 

 

 

まとめ

 くるりの「ばらの花」の歌詞の考察を行ってきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

 この歌詞では、「好き同士だけれど、恋人にはなれなかった男女の別れ」が歌われているように思います。

 

 そして、主人公は、その辛い別れを乗り越えて、一歩踏み出そうとしているように感じました。

 

 ただ、注意してほしいのは、これはあくまで、自分の解釈だということです。

 

 作詞をした岸田繁さんの意図と、だいぶすれている可能性もあります。

 

 また、別の人がこの曲を聴いたら、全く別の歌詞の解釈をするかもしれません。

 

 この曲の歌詞は曖昧な表現が多いので、多種多様な解釈の仕方があると思います。

 

 このように、「様々な解釈ができる」という点も、この歌詞の大きな魅力です。

 

 この記事を読んで、「そういう歌詞の解釈もあったのか」と思った方は、歌詞に注意して、改めてこの曲をじっくり聴いてみてください。

 

 そして、できれば、「自分なりの歌詞の解釈」をしてみてください。

 

 そうすると、自分の中で、この曲の魅力が、さらに広がっていくと思います。