しょうの雑記ブログ

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スピッツ「あじさい通り」の歌詞の考察

 スピッツ「あじさい通り」の歌詞の考察を行います。

 

 「あじさい通り」は、1995年にリリースされたアルバム「ハチミツ」に収録されている曲です。

 

 

 この曲は、シングル曲ではないので、そこまで有名な曲という訳ではありません。

 

 ただ、とても良い曲なので、根強い人気のある曲です。

 

 パッと聴いた印象だと、「梅雨の時期で、雨が続いて憂うつなので、雨が上がってほしい」という曲に聴こえます。

 

 ただ、じっくり歌詞を見てみると、それだけではない意味が含まれていることに気づきます。

 

 そこで今回は、「あじさい通り」の歌詞について、深く考察していきます。

 

 この曲の作詞・作曲者は、草野マサムネです。

 

 歌詞の全文は、下記のサイトで見られます。

 

www.uta-net.com

 

 

 

 

 

 

 

1番の冒頭の歌詞

 まずは、1番の冒頭の歌詞を見てみます。

雨 降り続くよ あじさい通りを

カサささずに 上向いて 走ってく

全部 ごちゃ混ぜにする 水しぶき

 

 この部分の歌詞を見ると、「梅雨の時期で、雨が降っている」ことがわかります。

 

 ただ、ここで注目すべきなのは、この曲の主人公が、「傘をささず、上を向いて走っている」点です。

 

 雨の日に、傘をささずに走っている人は、たまに見ます。

 

 しかし、その状態で「上を向いている」というのは、ちょっと異様な感じがします。

 

 人間、普通は、雨の日には「顔を濡らしたくない」と思うものです。

 

 そのため、傘を差さない場合、普通は、うつむき加減の姿勢になるはずです。

 

 ただ、この主人公は、あえて顔を濡らすように、上を向いています。

 

 これは、この主人公が「もうどうにでもなれ」という心情だからだと思います。

 

 なぜ、そんな心情になっているのかについては、この後の歌詞を見るとわかります。

 

さえない毎日

 さらに歌詞を見ていきます。

いつも 笑われてるさえない毎日

でも あの娘だけは光の粒を

ちょっと わけてくれた 明日の窓で

 

 この歌詞を見ると、この曲の主人公は、周囲の人からバカにされて、さえない毎日を送っているようです。

 

 雨の日に、傘をささずに、上を向いてずぶ濡れになっていたのは、そういう毎日に嫌気がさして、「もうどうにでもなれ」と思ったからでしょう。

 

 この曲の主人公はおそらく男性ですが、彼には、好きな娘がいるようです。

 

 そして、その娘は、『光の粒』をわけてくれたようです。

 

 これは、どういった意味でしょうか?

 

 この主人公から見ると、その娘は、「キラキラして光っているように見える」のだと思います。

 

 それが、『光の粒』という言葉の意味です。

 

 そして、『光の粒をちょっとわけてくれた』というのは、おそらく、「笑顔で自分に話しかけてくれた」ということでしょう。

 

 そのキラキラした笑顔の娘と話すと、「まるで自分に光の粒をわけてくれたように感じた」ということだと思います。

 

 この後、『明日の窓』という歌詞が出てきますが、これも独特な表現です。

 

 おそらく、この二人は、窓際で話していたのでしょう。

 

 そして、この主人公は、その娘と話すことで、前向きな気分になったのだと思います。

 

 前向きな気分になって、昨日のことより、明日のことを考えたくなったのでしょう。

 

 それが、『明日の窓』という言葉の意味だと思います。

 

 この部分の歌詞を見ていると、「この主人公と、その娘は、果たしてどういった関係なのか?」という疑問が湧いてきます。

 

 自分としては、この二人は、恋人関係ではなく、主人公の片想いだと思います。

 

 なぜなら、そんな素敵な恋人がいるなら、毎日が充実しているはずなので、『さえない毎日』とは思わないはずだからです。

 

 『さえない毎日』と思ってしまうということは、主人公の片想いである可能性が非常に高いと思います。

 

1番のサビの歌詞

 1番のサビの歌詞も見ていきましょう。

だから この雨あがれ あの娘の頬を照らせ ほら

涙の数など 忘れて

変わらぬ時の流れ はみ出すために切り裂いて

今を手に入れる

 

 ここに出てくる『この雨あがれ』というのは、単に「雨があがってほしい」という意味ではないと思います。

 

 この部分の『雨』というのは、『さえない毎日』の例えではないでしょうか。

 

 そして、『この雨あがれ』というのは、「さえない毎日を脱却したい」ということだと思います。

 

 ここには、「自分の人生に、もっと楽しいことが起こってほしい」という意味が込められている気がします。

 

 この後の『あの子の頬を照らせ』という部分は、パッと見た感じだと、ちょっとわかりづらい表現です。

 

 ただ、これはおそらく、「もっとかっこいい男になって、あの娘をときめかせたい」ということだと思います。

 

 人は、恋をしている時は、頬が赤くなることがあります。

 

 「頬を照らす」というのは、そういうことを言っているのだと思います。

 

 そして、おそらく、この主人公は、「自分と話している時に、あの娘がときめいて、あの娘の頬が赤くなってほしい」と願っています。

 

 『涙の数など 忘れて』という部分の『涙』というのは、主人公が日常生活で流した涙です。

 

 主人公は、さえない生活を送っているので、辛くて泣くことも何度もあったのでしょう。

 

 しかし、その娘と話している時は、そういった辛いことも忘れられるようです。

 

 そして、『変わらぬ時の流れ』というのは、「うんざりするような日常生活」のことだと思います。

 

 この主人公は、学生かもしれませんし、社会人かもしれません。

 

 その辺は、はっきりわかりません。

 

 ただ、学生であったとしても、みんなからバカにされて、クラスの端っこにいるようなタイプでしょう。

 

 また、社会人であったとしても、周囲の人から「あいつ、仕事できないね」と笑われているような立場でしょう。

 

 そういう人は、会社や学校で居場所がなく、「この状況が変わらないかな」と願っています。

 

 ただ、残念ながら、そういった状況は、なかなか変わりません。

 

 しかし、この主人公は、好きな娘と出会ったことで、「この嫌な流れを変えたい」という気持ちになっています。

 

 これは、恋愛の持つ大きなパワーだと思います。

 

 『はみ出す』というのは、「いまのうんざりするような立場からはみだしてやる」ということです。

 

 そして、『切り裂く』というのは、「今の立場を変えるために行動をする」ということでしょう。

 

 この主人公は、さえない毎日を送っているため、「今」を楽しむことができていません。

 

 そういう意味では、この主人公は、ずっと、「今を生きていなかった」と言えます。

 

 しかし、好きな娘に出会ったことで、「この状況を打破して、今を楽しみたい」という気持ちが芽生えてきています。

 

 『今を手に入れる』というのは、「これから楽しいことを沢山して、失っていた今を取り戻したい」という気持ちの表れだと思います。

 

 そして、「今を楽しむために、あの娘も手に入れたい」という気持ちも入っています。

 

2番の冒頭の歌詞

 2番の冒頭の歌詞も見ていきます。

愛と言うより ずっとまじめなジョークで

もっと 軽々と渡って行けたなら

嘘 重ねた記憶を巻き戻す

 

 この主人公は、恋愛を重く考えてしまって、なかなか好きな娘と気楽に話せないのでしょう。

 

 この部分の歌詞には、「『まじめなジョーク』くらいの感覚で、好きな娘と話したい」という主人公の願望が出ています。

 

 そして、「好きな娘に対して、もっと軽々と接したい」とも思っています。

 

 『嘘』というのは、おそらく、「見栄を張ってついた嘘」のことだと思います。

 

 好きな娘に気に入られたくて、見栄を張って、何度も嘘をついてきたのでしょう。

 

 それを、少し後悔している様子も伺えます。

 

信じることは間抜けなゲーム

 続きの歌詞も見ていきます。

だって 信じることは間抜けなゲームと

何度 言い聞かせたか 迷いの中で

ただ 重い扉 押し続けてた

 

 『信じることは間抜けなゲーム』という部分を見ると、この主人公は、「今まで、信じてきた人に何度も裏切られた」ということがわかります。

 

 ただ、『迷いの中で』という部分を見ると、盲目的に信じてきた訳ではないようです。

 

 「信じるべきか、信じないべきか迷って、結局信じて、裏切られる」といった感じでしょう。

 

 きっと、好きな娘を信じてきたけれど、裏切られたりして、うまくいかなかったのでしょう。

 

 そのように、恋愛がなかなかうまくいかない感じが、『重い扉』という言葉に表れています。

 

2番のサビの歌詞

 2番のサビの歌詞も見ていきます。

だから この雨あがれ あの娘の頬を照らせ ほら

寄せ集めた花 抱えて

名も無い街で一人 初めて夢を探すのさ

今を手に入れる

 

 1番のサビと共通する歌詞が多いですが、所々、違いもあります。

 

 『寄せ集めた花 抱えて』という部分と、『名もない街で一人 初めて夢を探すのさ』という部分が違います。

 

 『寄せ集めた花』というのは、「自分の魅力」という意味だと思います。

 

 主人公は、女性に花束を渡すように、自分の魅力をその娘にアピールして、自分を好きになってほしいと考えているのでしょう。

 

 また、この後に出てくる『夢』というのは、「好きな娘と一緒に見る夢」のことでしょう。

 

 この部分には、「あの娘と両想いになって、一緒に見られるような夢を探したい」という気持ちが反映されている気がします。

 

 

 

 

 

まとめ

 スピッツ「あじさい通り」の歌詞の考察を行ってきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

 パッと聴くと、単純な梅雨時の歌に聴こえますが、実は、隠された意味が含まれていることがわかったと思います。

 

 この曲は、「梅雨の雨降り」と「さえない毎日を送る男性の心情」を重ね合わせた構造になっています。

 

 そして、そこに「片想い」という恋愛の要素も絡んできます。

 

 そのため、この曲は、「さえない毎日を送っている男性」や「片想いしている人がいる男性」が共感できる内容となっています。

 

 ただ、男性目線の曲ではありますが、「さえない毎日を送っている女性」や「片想いしている人がいる女性」にも響く内容なのではないでしょうか。

 

 この記事を見て、「この曲の歌詞には、そんな意味が含まれていたのか」と初めて気付いた方は、改めてこの曲をじっくり聴き直してみてください。