スピッツ「流れ星」の歌詞の考察を行います。
この曲は、1999年にリリースされた、スピッツ20枚目のシングルです。
オリジナルアルバムでは、「花鳥風月」に収録されています。
シングルとしてリリースされたのは1999年ですが、曲自体は、もっと前からあったようです。
スピッツがアマチュアの頃から、ライブで演奏されていたとのことです。
この曲は、スピッツの曲の中では、そこまで有名な曲ではないかもしれません。
ただ、完成度は非常に高く、素晴らしい曲だと思います。
メロディはポップでわかりやすいですが、歌詞は、意味深で、パッと聴いただけでは、意味がわかりづらくなっています。
そこで今回は、この曲の歌詞を考察して、隠された意味を探っていきます。
この曲の作詞・作曲者は、草野マサムネです。
歌詞の全文は、下記のサイトで見られます。
「流れ星」の歌詞の考察
1番のAメロの歌詞
僕にしか見えない地図を 拡げて独りで見てた
目を開けた時にはもう 太陽は沈んでいた
曲の冒頭から、だいぶ解釈が難しい歌詞になっています。
『僕にしか見えない地図を 拡げて独りで見てた』とは、どういう意味なのでしょうか?
ここで言う『地図』とは、おそらく、「将来の計画」といった意味ではないかと思います。
そういうことだとすると、『僕にしか見えない地図を 拡げて独りで見てた』という歌詞は、「将来のことを、あれこれ計画して、考えていた」という意味ではないでしょうか。
その後、『目を開けた時にはもう』とあるので、おそらく、目をつぶって将来のことを想像していたのだと思います。
また、『太陽は沈んでいた』とあるので、目をつぶって長い間想像していたら、いつの間にか時間が経って、暗くなっていたのでしょう。
1番のBメロの歌詞
造りかけの大きな街は 七色のケムリの中
解らない君の言葉 包み紙から取り出している
ここもまた、解釈が難しい部分です。
『造りかけの大きな街』とは、何を意味しているのでしょうか?
この言葉は、先程出てきた『地図』と関係がありそうです。
おそらく、「地図の中に、街を造っていた」ということだと思います。
つまり、将来を想像して、「将来、こういうことをしたい」と考えていたのではないでしょうか。
そして、『七色のケムリの中』というのは、どういう意味でしょうか?
これは、「想像の中で『街』を作っていたけど、その街はケムリに包まれていた」ということだと思います。
つまり、「将来、やりたいことはあるけれど、それがどうなっていくのか、具体的に想像できない」ということでしょう。
そして、ここで初めて、『君』が出てきます。
この人は、おそらく、この曲の主人公にとって、大事な人のことでしょう。
次の、『解らない君の言葉 包み紙から取り出している』とは、どういう意味でしょうか?
おそらく主人公は、以前、『君』から、「意味深な言葉」を言われたのだと思います。
『包み紙から取り出している』というのは、「その言葉を思い出している」という意味ではないでしょうか。
そして、『包み紙』という歌詞を見ると、主人公は、その言葉を、「大切に心の中にしまっておいた」ということがわかります。
1番のサビの歌詞
流れ星 流れ星
すぐに消えちゃう君が好きで
流れ星 流れ星
本当の神様が
同じ顔で僕の窓辺に現れても
ここで、『君が好きで』という歌詞が出てくるので、主人公は、『君』のことが好きだということがわかります。
ただ、気になるのは、その前の『すぐに消えちゃう』という部分です。
これは、「いつの間にかいなくなってしまう」という意味でしょうか。
そうだとすると、主人公と『君』は、「普通の恋人の関係」ではないのかもしれません。
その後に続く、『本当の神様が 同じ顔で僕の窓辺に現れても』とは、どういった意味なのでしょうか?
唐突に『神様』が出てくるので、この時点では、その意味はよくわかりません。
ただ、もう少し歌詞を見ていくと、その意味がなんとなくわかってきたりします。
2番のAメロの歌詞
君の心の中に棲む ムカデにかみつかれた日
ひからびかけていた僕の 明日が見えた気がした
この部分も、なかなか解釈が難しかったりします。
『君の心の中に棲むムカデ』とは、どういった意味でしょうか?
自分の解釈では、「『君』の心の中の、尖った部分」のことではないかと思います。
尖った部分を『ムカデ』に例えているような気がします。
ただ、その後に、『ひからびかけていた僕の 明日が見えた気がした』という歌詞が続くのが、なんだか不思議な気がします。
なぜ、「『君』の心の中の尖った部分」を見て、『明日が見えた』と感じたのでしょうか?
自分の解釈では、主人公は、『君』が「心の中のマイナスな面もさらけだしてくれた」ことに対して、嬉しさを感じたからではないでしょうか。
『君』が、マイナスな面もさらけだしてくれたことで、より深く『君』について知ることができたと感じたのでしょう。
それにより、主人公は、「『君』との関係が深まった」と思ったのかもしれません。
ただ、この部分は、解釈がとても難しいので、他にも色んな解釈ができそうです。
2番のBメロの歌詞
誰かを憎んでたことも 何かに怯えたことも
全部かすんじゃうくらいの 静かな夜に浮かんでいたい
『誰かを憎んでたことも 何かに怯えたことも 全部かすんじゃうくらいの 静かな夜』という歌詞を見ると、その夜に、嫌なことも忘れてしまうような、素晴らしいことがあったと推測できます。
きっと、その夜に、主人公は、「『君』と一夜を共に過ごして、『君』と一つになれた」のではないかと思います。
そういった素晴らしいことがあったので、『誰かを憎んでたことも 何かに怯えたことも』、「どうでもいいや」と思えたのでしょう。
2番のサビの歌詞
流れ星 流れ星
すぐに消えちゃう君が好きで
流れ星 流れ星
本当の神様が
同じ顔で僕の窓辺に現れても
この部分は、1番のサビの歌詞と一緒です。
ただ、これまで見てきた歌詞をふまえて、もう一度、『本当の神様が同じ顔で僕の窓辺に現れても』という歌詞の意味を考えてみましょう。
『神様』とは、何のことを指しているのでしょうか?
また、その神様は『僕の窓辺』に現れるようですが、『同じ顔』という歌詞も、パッと見ただけでは、意味がわかりません。
これは一体、どういう意味なのでしょうか?
色々と考えてみたところ、自分としては、『神様』というのは、『君』のことを指しているのではないかと思いました。
主人公はきっと、『君』のことを「神様のような素晴らしい人」と思っているのでしょう。
そして、『同じ顔』というのは、「『君』と同じ顔」という意味だと思います。
『本当の神様が 同じ顔で僕の窓辺に現れて』という歌詞は、主人公が、「『君』の顔をした神様を思い浮かべていたら、『君』が実際に僕の窓辺に来た」という意味ではないでしょうか。
こういったことを考えると、主人公と『君』は、たまにしか会えない関係だということがわかります。
そして、この歌詞では、「たまにしか会えなくて、会えてもすぐいなくなってしまう『君』」のことを、「流れ星のようだ」と言っているのだと思います。
また、「流れ星」と同じで、『君』とは、どうやら夜にしか会えないようです。
「一夜を共にすることがあるけれど、たまにしか会えない関係」ということを考えると、この二人は、普通の恋人ではない特殊な関係だと思われます。
そうすると、「主人公と『君』は、いったいどんな関係なんだ?」と気になってくると思います。
自分としては、主人公と『君』は、「不倫関係にある」と考えました。
不倫関係にあるからこそ、「夜に、たまにしか会えない」のだと思います。
そして、『君』はおそらく、「気まぐれな性格」なのではないでしょうか。
不倫をしていて、気まぐれな相手なので、いつ会えるか、なかなかわからないのでしょう。
急に、「今日の夜、空いてる?」と連絡が来て、その日に会うような関係ではないかと推測します。
そして、おそらく主人王は、『君』について、「流れ星のように、自分のものにできない」とわかっています。
ただ、それでもなお、「好きだ」という気持ちを持ち続けているのでしょう。
そして、不倫関係で、「夜に、たまにしか会えない」からこそ、主人公は、「『君』と過ごす時間」をより大事にしているのではないでしょうか。
まとめ
スピッツ「流れ星」の歌詞の考察を行ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
自分は、主人公と『君』との関係は、「不倫関係」だと考えました。
ただ、注意してほしいのは、これはあくまで、自分の解釈だということです。
歌詞を見て、「この二人は、不倫関係ではなく、たまにしか会えない恋人だ」と解釈することもできます。
また、「片想いをしていて、相手がなかなか会ってくれない人の歌だ」解釈することも可能でしょう。
そう思った方は、無理に「不倫の曲だ」とは思わず、自分が思ったように解釈して楽しむようにしてください。
ただ、自分としては、歌詞の端々に、どうしても「不倫のにおい」を感じたので、「不倫関係にある人の歌だ」と解釈してしまいました。
という感じで、「流れ星」の歌詞の解釈をしてきましたが、この歌詞は、抽象的な表現が多いので、様々な解釈ができる歌詞になっています。
「この曲の歌詞をじっくり聴いたことがなかった」という方は、歌詞の意味を考えながら、改めて聴き直してみてください。
そうすると、新たな発見があって、この曲をさらに楽しめるようになると思います。