しょうの雑記ブログ

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スピッツ「魔法のコトバ」の歌詞の考察

 スピッツ「魔法のコトバ」の歌詞の考察を行います。

 

 「魔法のコトバ」は、2006年にリリースされたスピッツ31枚目のシングルです。

 

 オリジナルアルバムでは、2007年にリリースされた「さざなみCD」に収録されています。

 

 

 また、ベストアルバムにも収録されています。

 

 

 映画「ハチミツとクローバー」の主題歌にもなっていたので、映画を見てこの曲を知った方も多いと思います。

 

 この曲は、スピッツの曲の中でも、かなり有名な曲だと思います。

 

 メロディがとても良く、個人的に凄く好きな曲です。

 

 歌詞については、サビをパッと聴くと、両想いのラブソングに聴こえます。

 

 サビの歌詞は、「付き合っている二人だけにしかわからない魔法の言葉」について歌っているように思えます。

 

 しかし、じっくり歌詞を聴き込むと、「あれ、ちょっと違うぞ」という風になってきます。

 

 そこで今回は、この歌詞について深く考察していきます。

 

 この歌詞に隠された意味についても探っていきます。

 

 この曲の作詞・作曲者は草野マサムネです。

 

 歌詞の全文は、下記のサイトで見られます。

 

www.uta-net.com

 

 

 

 

 

 

1番のAメロとBメロの歌詞

 まずは、1番のAメロとBメロの歌詞を見ていきましょう。

あふれそうな気持ち 無理やりかくして

今日もまた 遠くばっかり見ていた

君と語り合った 下らないアレコレ

抱きしめて どうにか生きてるけど

 

 『あふれそうな気持ち 無理やりかくして 今日もまた遠くばっかり見ていた』と言う部分を見ると、自分の気持ちを相手にうまく伝えられていない感じがします。

 

 『君と語り合った 下らないアレコレ 抱きしめて どうにか生きてるけど』という部分からは、「昔は『君』と一緒にいたけれど、今現在、『君』は目の前にいない」ことがわかります。

 

 この冒頭の歌詞を見ると、「この曲の主人公は、今現在、『君』とは付き合ってない」ということがわかります。

 

1番のサビの歌詞

 次に、1一番のサビの歌詞を見てみます。

魔法のコトバ 二人だけにはわかる

夢見るとか そんな暇もない この頃

思い出して おかしくてうれしくて

また会えるよ 約束しなくても

 

 『魔法のコトバ 二人だけにはわかる』というのは、「他の人にはわからないけれど、二人だけの間でわかる言葉がある」ということでしょうか。

 

 『夢見るとか そんな暇もない この頃』という部分を見ると、この主人公が「生活に追われ、忙しい毎日を送っている」ことがわかります。

 

 『思い出して おかしくてうれしくて』というのは、『君』と一緒に過ごした日々を思い出しているのでしょうか。

 

 『また会えるよ 約束しなくても』という部分を見ると、「『君』は目の前にいなくて、会う約束をすることもできない」ということがわかります。

 

 このサビの部分をまとめると、「大好きな人がいるけど、日々生活に追われているし、その人と会う約束もできない」といった感じでしょうか。

 

 このサビの歌詞は、サラッと聴き流すと、両想いのラブソングのようにも思えますが、じっくり聴くと、「あれ、なんか違う」ということに気づきます。

 

2番のAメロとBメロの歌詞

 2番のAメロとBメロの歌詞も見ていきます。

倒れるように寝て 泣きながら目覚めて

人混みの中でボソボソ歌う

君は何してる? 笑顔が見たいぞ

振りかぶって わがまま空に投げた

 

 『倒れるように寝て 泣きながら目覚めて 人ごみの中でボソボソ歌う』という歌詞を見ると、この曲の主人公は「売れない歌手」なのではないかと思います。

 

 歌で生計を立てられないため、アルバイトもして、忙しい毎日を送っていると思われます。

 

 そして、おそらく、街中でストリートミュージシャンとしても歌っています。

 

 この歌詞からは、そんな姿が浮かび上がってきます。

 

 『君は何してる? 笑顔が見たいぞ』という歌詞からは、「君の笑顔が見たいのに、見られない」というもどかしさが伝わってきます。

 

 そして、『振りかぶって わがまま空に投げた』という歌詞は、「君の笑顔が見たいなんて、そんなわがままを言ってはダメだ」と自分に言い聞かせている感じがします。

 

 この部分から、この主人公は、「今現在、満たされない生活を送っている」ことがわかります。

 

2番のサビの歌詞

 2番のサビの歌詞も見ていきます。

魔法のコトバ 口にすれば短く

だけど効果は 凄いものがあるってことで

誰も知らない バレても色あせない

その後のストーリー 分け合える日まで

 

 『魔法のコトバ 口にすれば短く だけど効果は 凄いものがあるってことで』という部分を見ると、『魔法のコトバ』というのは、短いフレーズのようです。

 

 しかし、短いフレーズであっても、その言葉が出ると、主人公の気持ちは高ぶるようです。

 

 『誰も知らない バレても色あせない』というのは、「他の人は知らないし、万が一、他の人にバレても、その言葉の持つ魅力は色あせない」ということでしょう。

 

 「誰かにバレて、ひやかされたとしても平気だよ」といった感じでしょうか。

 

 『その後のストーリー 分け合える日まで』という部分を見ると、今現在、この主人公と『君』は別の道を行っていることがわかります。

 

 ただ、別の道を行っていても、この主人王には、「また君と巡り合って、別々に過ごしていた時間を分かち合いたい」という気持ちがあるようです。

 

Cメロの歌詞

 Cメロの歌詞も見てみます。

花は美しく トゲも美しく

根っこも美しいはずさ

 

 ここは、なかなか意味深な歌詞で、様々な解釈ができると思います。

 

 自分としては、ここに出てくる『花』というのは、『君』のことではないかと思っています。

 

 『君』を『花』に例えているのです。

 

 そして『トゲ』というのは、「その人の欠点」のことだと思います。

 

 人は誰でも欠点がありますが、この主人公は、「その欠点さえも美しい」と言っています。

 

 また、『根っこ』というのは、「表に出ていない部分」のことだと思います。

 

 この主人公は、「君は、外見も美しいけど、中身も美しい」と言っています。

 

 これを見ると、「この主人公は、『君』の外見だけでなく、全てが好きなんだな」ということが伝わってきます。

 

最後のサビの歌詞

 最後のサビの歌詞も見ていきましょう。

魔法のコトバ 二人だけにはわかる

夢見るとか そんな暇もない この頃

思い出して おかしくてうれしくて

また会えるよ 約束しなくても

会えるよ 会えるよ

 

 この部分は、基本的には1番のサビの歌詞と同じです。

 

 ただ、一番最後に『会えるよ 会えるよ』と繰り返している部分が違います。

 

 これはおそらく、この主人公が、自分自身に言い聞かせているのでしょう。

 

 冷静に考えると、君と会う約束も出来ないので、今後、君に会える確率は非常に低いです。

 

 しかし、それでもなお、「絶対会える」と自分自身に言い聞かせているように感じます。

 

 

 

 

 

まとめ

 ここまで、スピッツ「魔法のコトバ」の歌詞を詳しく見てきました。

 

 じっくり歌詞を見ていくと、この曲は、「単純な両想いのラブソングではない」ということがわかったと思います。

 

 「大好きな人に会えない」という点で、非常に切ないラブソングです。

 

 そして、注目すべきなのは、「抱き合った」「キスした」といったような「過去に二人が恋人だったことを証明する歌詞がない」点です。

 

 また、「相手の気持ち」も、全く歌詞に出てきません。

 

 主人公が、一方的に自分の気持ちを述べているだけです。

 

 この曲に関しては、「この二人は、過去に恋人だったのだろうな」と思って聴いている人が多い気がしますが、こういった点をふまえると、この二人は、恋人ではなかった可能性があります。

 

 単なる友達で、主人公の一方的な片想いだったかもしれません。

 

 もしくは、この二人は、友達ですらなく、さらに関係の薄い「単なる知り合い」だった可能性もあります。

 

 この曲に出てくる二人が過去に恋人だったとしたら、「過去の恋人のことを一途に想う、純粋なラブソング」といった感じで、胸がキュンとしてきます。

 

 しかし、この二人が「友達でもない、単なる知り合い」だとしたらどうでしょうか。

 

 そうなると、「一方的に片想いしているストーカーの歌」になって、キュンとするどころか、ゾッとしてきます。

 

 歌詞に出てくる「魔法のコトバ」というのも、「主人公が勝手に思ってるだけ」かもしれません。

 

 主人公が、「これが二人だけの魔法のコトバだ」と思っていたとしても、相手からすると「え、そんなこと言ったっけ?」という感じかもしれません。

 

 その状態で、主人公だけが「これが二人だけの魔法のコトバだ!」と思い込んでいたとしたら、なかなか恐怖です。

 

 そして、『君』と会えなくなっているのも、「『君』から気持ち悪がられて、絶交された」からかもしれません。

 

 その状態でも「会えるよ」と願っているのだとしたら、背筋が凍ります。

 

 もちろんこれは、かなり極端な解釈です。

 

 この曲の歌詞は、はっきりしたことをあまり言っていないので、「二人は過去に恋人だった」と解釈することも、もちろん可能です。

 

 そう思いたい人は、そう思って聴けばいいでしょう。

 

 しかし、この歌詞をじっくり見ていくと、「一方的に片想いしているストーカーの歌」という解釈もできるところが非常に面白いです。

 

 これはおそらく、草野さんなりの遊び心のような気がします。

 

 あえて狙って、「過去に付き合っていた恋人同士の歌」とも「一方的に片想いしているストーカーの歌」ともとれるような歌詞を書いている気がします。

 

 この辺は、さすが草野さんだなと感じます。

 

 また、ここで述べた以外にも、様々な解釈ができる歌詞だと思います。

 

 そのため、この記事を見てこの曲が気になった方は、歌詞の意味に注意して、改めてじっくり聴いてみてください。