ある程度、歳を重ねてきた人の中には、若い人の意見について「大して経験がない若者の意見は、聞く価値がない」と、最初からまともに聞く気がない人がいます。
確かに、年齢が若いと、物事を深く考えられない傾向はあります。
しかし、聞く前から、「年齢が若い人の意見はダメ」と決めつけるのはどうなのでしょうか。
人生経験を積めば積むほど、物事を深く考えられるのは確かです。
しかし、考え方にも、「若さゆえの勢い」というものがあります。
それは、時に荒唐無稽であったりすることもありますが、若さゆえの勢いがあるからこそできる斬新な発想もあります。
歳をとるごとに、「考え方の勢い」も薄れていってしまうことが多いので、その勢いは、とても魅力的です。
そして、若い人は、変に世間ずれをしていないので、「物事を純粋に考えられる」場合が多いです。
そういった純粋な考え方に触れると、大人がハッとさせられることもあります。
「10代の人のリアルな考え方」は、現在10代の人にしかわからないものです。
ある程度、歳を重ねた人にとっては、「10代」というのは既に経験していることです。
しかし、人間というのは段々忘れていく生き物なので、時間が経つと、「10代の頃に感じていた気持ち」が段々と薄れて忘れてしまったりします。
だから、「10代の人のリアルな考え方」は、今現在10代の人でないとはっきりわかりません。
そういった「若い世代のリアルな考え方」を知るのは、とても面白くて良い刺激があるものです。
だから、「若い人の意見だから」と軽く見ずに、まずはちゃんと聞いてみた方がいいでしょう。
反対に、若い人は、すごく年上の人の意見に対しては、「自分たちのことを何もわかっていない」と思って、意見を全く聞かなかったりします。
これも、もったいないことです。確かに、年上の人の意見は、自分たちの感覚とは違うかもしれません。しかし、年上の人は「人生経験」は自分より上です。
そして、歳を重ねるにつれ、物事を冷静にとらえられるようになってきます。
そういった貴重な意見を「最初から全く聞かない」というのは、大切な物を、しっかり見ずにゴミ箱に捨てているようなものです。
このように「自分と違う世代」の意見を全く聞かないようになると、同世代の意見ばかりを聞くようになります。
そうなると、意見や知識が偏ってきて、自分の考え方の幅も狭くなります。
そして、物事を多角的に見ることが難しくなってきます。
多角的な視点を身につけるためには、「若い人の意見も、老人の意見も、年齢に関係なく、同じように価値がある」と考えましょう。
そして、自分より年下の意見も、年上の意見も、まずは一度しっかり聞いてみるようにしましょう。
そして、一度しっかり聞いた上で、「これは自分に合う」「これは自分に合わない」ということを判断していけばいいのです。
その上で、自分に取り入れるもの、取り入れなくていいものを選択していきましょう。
確かに、同世代の人というのは話が合いやすく、話していて楽しいでしょう。
しかし、同世代の話しかまともに聞いていないと、何か困難にぶつかった時に、打開策を得るための知識が限られてしまいます。
幅広い打開策を身につけるためには、年上の意見も、年下の意見も、フラットな視点で聞いていくことが大事です。
そうすることで、今まで見えなかった打開策を見つけられることもあります。
また、様々な世代の意見をフラットに聞ける人の方が、幅広い知識を吸収できるので、人間としての魅力も深まっていきます。