ブルーハーツ「1000のバイオリン」の歌詞の考察を行います。
「1000のバイオリン」は、オリジナルアルバムでは、1993年にリリースされた6枚目のアルバム「STICK OUT」に収録されています。
また、ベストアルバムにも収録されています。
この曲は、「人生の中で感じる、ワクワクする気持ち」を表現したような歌詞になっています。
そして、「ワクワクする気持ち」を表すのに、とても面白い表現が使われています。
歌詞を見ていると、「マーシーならではの表現だな」と感じる部分が多いです。
そこで、今回は、歌詞の中に、どのような面白い表現が使われているのか、詳しく見ていきます。
この曲の作詞・作曲者は、真島昌利(マーシー)です。
歌詞の全文は、下記のサイトで見られます。
「1000のバイオリン」の歌詞の考察
ヒマラヤほどの 消しゴムひとつ
まずは、冒頭の歌詞を見ていきます。
ヒマラヤほどの 消しゴムひとつ
楽しい事を たくさんしたい
ミサイルほどの ペンを片手に
面白い事をたくさんしたい
冒頭から、『ヒマラヤほどの 消しゴムひとつ』という、なかなか凄い歌詞が来ます。
これは、「ヒマラヤ山脈くらい大きい消しゴム」という意味でしょうか。
消しゴムは、本来は、とても小さなものなので、そんな大きな消しゴムは、まずありえません。
これは、おそらく、「普通ではありえないもの」の例えとして使っているのだと思います。
ただ、実際にそんな消しゴムがあったら、「こんなに大きな消しゴムがある。なんだか楽しいな」と思う人もいるでしょう。
「普通ではありえないもの」というのは、実は、見ていてとても楽しいものだったりします。
『ミサイルほどのペン』というのも、「普通ではありえないもの」の例えとして使っているのだと思います。
そして、そんなペンが目の前に現れたら、「面白い」と思う人もいるでしょう。
ここの部分の歌詞を見ると、「普通ではありえないことを沢山して、面白く生きていきたい」という気持ちが伝わってきます。
夜の扉を開けて行こう
続きの歌詞も見ていきます。
夜の扉を開けて行こう
支配者達はイビキをかいてる
何度でも夏の匂いを嗅ごう
危ない橋を渡って来たんだ
『夜の扉を開けて行こう 支配者達はイビキをかいてる』というのは、「権力者が休んでいるような時に、行動していこう」ということでしょうか。
『何度でも夏の匂いを嗅ごう』というのは、なかなか面白い表現です。
夏になると、「夏の匂い」というものがあります。
「夏の匂い」を嗅ぐと、多くの人は、なんとなく、ワクワクしてきます。
そのため、この歌詞は、「何度でも、ワクワクすることをしていこう」という意味だと思いました。
その後、『危ない橋を渡って来たんだ』という歌詞が来ます。
「危ないこと」というのは、怖さもありますが、同時に「ワクワクすること」でもあったりします。
やはり、ある程度リスクを冒さなければ、ワクワクすることには出会えなかったりします。
『危ない橋を渡って来たんだ』という歌詞には、「リスクを冒してでも、ワクワクすることをやってきた」という意味が込められていると思います。
台無しにした昨日は帳消しだ
次の歌詞も見ていきます。
夜の金網をくぐり抜け
今しか見る事が出来ないものや
ハックルベリーに会いに行く
台無しにした昨日は帳消しだ
『夜の金網をくぐり抜け』という歌詞にも、「危険を冒してでも、面白いことをする」という意味が込められていると思います。
『今しか見る事が出来ないもの』という歌詞を見ると、マーシーが「今、この瞬間」を大事にしていることがわかります。
次の歌詞で出てくる『ハックルベリー』というのは、「ハックルベリー・フィン」のことでしょう。
「ハックルベリー・フィン」は、マーク・トウェインが書いた「ハックルベリー・フィンの冒険」に出てくるキャラクターです。
この小説は、ハックルベリー・フィンという子供が様々な冒険をしていく物語になっています。
『ハックルベリーに会いに行く』というのは、「ハックルベリー・フィンのように、面白そうなことを次々とやっていく」という意味でしょう。
そして、『台無しにした昨日は帳消しだ』という歌詞にも、マーシーの「今、この瞬間」を大事にする姿勢が感じられます。
「昨日、嫌なことがあったとしても、過ぎ去ったことはもう忘れて、今、楽しいと思えることをしよう」ということでしょう。
1000のバイオリンが響く
さらに歌詞を見ていきます。
揺篭から墓場まで
馬鹿野郎がついて回る
1000のバイオリンが響く
道なき道をブッ飛ばす
『揺篭(ゆりかご)から墓場まで 馬鹿野郎がついて回る』というのは、「生まれてから、死ぬまで、ずっと馬鹿なことを言う人はいる」という意味でしょうか。
「馬鹿なことを言うやつがいても、自分は、自分のやり方を貫く」ということかもしれません。
次に、『1000のバイオリンが響く』と来ますが、これはどんな意味でしょうか?
おそらく、「気分がどんどん高揚していく様子」を「まるで、1000のバイオリンが響いているようだ」と言っているのだと思います。
『道なき道をブッ飛ばす』というのは、非常に強い言葉ですね。
「道がなかったとしても、自分で道を切り開く」といった強い意志を感じます。
そんなことはもうどうでもいいのだ
続きの歌詞も見ていきます。
誰かに金を貸してた気がする
そんなことはもうどうでもいいのだ
思い出は熱いトタン屋根の上
アイスクリームみたいに溶けてった
『誰かに金を貸してた気がする そんなことはもうどうでもいいのだ』というのは、「過去のことには、もう捉われない」ということでしょう。
また、『思い出は熱いトタン屋根の上 アイスクリームみたいに溶けてった』というのも、同じように、「過去のことには、もう捉われない」という意味だと思います。
この部分の歌詞からも「今を生きる」という強い決意を感じます。
まとめ
ブルーハーツ「1000のバイオリン」の歌詞の考察を行ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
この曲の歌詞は、マーシーの持っている「少年の心」がうまく表現されている歌詞だと思いました。
それが、マーシーならではの詩的な表現で表されています。
そして、歌詞全体に、「今、この瞬間を大事にしよう」というメッセージが込められています。
とても良い歌詞になっているので、「今までこの曲の歌詞をじっくり聴いていなかった」という方は、歌詞の意味を考えつつ、この曲を聴き直してみてください。
そうすると、さらにこの曲が魅力的に感じると思います。