あなたには、何か、「好きなこと」はあるでしょうか?
どんな人でも、探してみると、いくつか「好きなこと」が見つかるはずです。
好きなことがいくつか思いついたら、「好きなことの中で、細部にまでこだわりたくなるような、大好きなことはあるかな?」と考えてみてください。
好きなことがあると、人は、つい、「細部にまでこだわりたくなる」ものです。
絵を描くのが大好きな人は、つい、「人物の髪の毛」にまでこだわって描いてしまったりします。
また、料理を作るのが大好きな人は、「隠し味」にまでこだわって料理を作ったりします。
そういう人を見て、「そこまで細かい部分にこだわる必要はある?」「そんな細かい部分にこだわるのは、時間の無駄じゃない?」と言ってくる人もいます。
確かに、そういう人の気持ちもわかります。
絵を描く場合、「人物の髪の毛」を細かく書かなくとも、イラストとしては成立します。
料理を作る場合も、「隠し味」を入れなくても、料理としては成立します。
細かい部分にこだわると、作品を完成させるまでに非常に時間がかかります。
そのため、「時間を食うし、そこまでこだわらなくても」と言う人の意見も、わかります。
しかし、「神は細部に宿る」という言葉はご存じでしょうか?
これは、「細かい部分にこだわることで、作品の完成度が高まる」といった意味の言葉です。
この言葉を見ると、「まさにその通りだな」と感じます。
芸術作品を見る場合、多くの人は、「その作品の目立つ部分を見ている」と思っています。
ただ、そういう人も、「目立つ部分だけを見ているのか」というと、そうではありません。
実は、細部も、仮に本人は意識していなくても、見ているのです。
有名な画家の展覧会に行き、その人が描いた人物画を見て、「これは凄い!」と感動する人は多いでしょう。
人物画の中心は「表情」ですが、作品に感動する人は、表情だけ見て感動しているのでしょうか?
それは違います。
本人は人物画の表情を見ているつもりでも、実は無意識的に「髪の毛」だったり「服」のような細部も一緒に見ています。
そういった細部も一緒に見て、感動しています。
そして、細部に徹底的にこだわっている作品ほど、人を感動させられる可能性が高まります。
「髪の毛一本一本」や「服のしわ」といった細部に徹底的にこだわって描かれている絵には、「リアリティ」が出ます。
そういった細部のリアリティがあるからこそ、表情が引き立ち、表情にもリアリティが出て、感動したのかもしれません。
これが、細部を適当に描いた絵だったとしたら、「普通だな」と思って感動はしなかったかもしれません。
「歴史的名画」と呼ばれるような絵というのは、大抵、細部に徹底的にこだわって描かれています。
もちろん「細部にだけこだわればいいのか」というと、そんなことはありません。
細部にだけこだわり、メインの部分にこだわって描かれていない絵は、多くの人を感動させることはできません。
やはり、「メインと細部の両方」にこだわって描かれているからこそ、見た時に感動するような絵になるのです。
そのため、せっかくメインの部分を頑張って描いたのならば、どうせなら細部にも徹底的にこだわって描いてみましょう。
そうした方が、絵の完成度が格段に上がります。
しかし、「細部にこだわる」といっても、日常生活の全てにおいて細部にこだわれと言っているのではありません。
そんなことをしていると、時間がいくらあっても足りないからです。
むしろ、「大して興味ないこと」や「あまり好きではないこと」に関しては、細部に関しては全くこだわらなくてOKです。
目立つところだけやって、細部は手抜きをしましょう。
その方が、「時間・気力・体力」の節約になります。
そして、「これは細部にこだわりたい」と思える大好きなことがあったら、節約した時間を使って、徹底的に細部にまでこだわってみましょう。
すると、作品の完成度が上がって、自分で作品を見返した時に、より満足感を得られます。
そして、細部にこだわって「これは良い」と思える作品ができたら、「発表」をしてみましょう。
発表する場は、リアルな場でも、ネット上でもかまいません。
絵を描いている人は、とりあえず、絵に興味がある身近な友達に見せてみると良いと思います。
そこで、「いいね」と言ってもらえると、モチベーションが上がります。
さらに、SNSなどを使ってネット上で絵を発表すると、「いいね」が付いたり、「これは素晴らしい」というようなコメントが付いたりします。
そういう反応があると、さらにモチベーションが上がります。
そして、ネット上で発表すると、発表すると、「同じ趣味の友達」ができたりします。
同じように絵を書いている人とネット上で知り合って仲良くなるのも、楽しいことです。
また、ネット上で発表すると、「自分の絵がネット上でバズる(多く拡散される)」こともあります。
そうなると、さらに面白いことになってきます。
自分の作品がネット上でバズって沢山の人に見られるようになれば、「自分の作品に対するファン」もついてきたりします。
「ファンがつく」というのは、何か作品を作っている人にとっては、非常に嬉しいことです。
そして、その絵のクオリティが非常に高ければ、「お金を出してもいい」という人や企業も現れて「それが仕事になる」場合もあります。
「好きなことでお金を稼げる」というのは、素晴らしいことだと思います。
そして、画家としてプロになれば、個展を開くこともできます。
個展を開いてファンと直接交流できれば、さらに嬉しさが広がります。
まあ、ここまでうまくいく人は稀ですが、全くいない訳ではありません。
「試しにネット上で絵を発表してみたら、予想以上にバズって、プロの画家になった」という話は時々聞きます。
ただ、気をつけてほしいのは、せっかく細部にまでこだわった良い作品を作っても、「発表」をしないと、こうなる可能性は0だということです。
「恥ずかしいから」「バッシングされると嫌だから」といった理由で発表をせずに自分一人で楽しんでいたら、絶対にこういうことは起こりません。
そういう意味では、「作品を発表すること」は非常に重要です。
「発表する」からこそ、色んなことが起こるのです。
そのため、大好きなことがあって、細部にこだわった作品を作っているのなら、発表しないのは非常にもったいないことです。
せっかく細部にこだわった良い作品ができたと思ったら、とりあえずどこかで発表してみましょう。
そうすると、全く予想していなかった面白いことが起こるかもしれません。