ブルーハーツ「爆弾が落っこちる時」の歌詞の考察を行います。
この曲は、オリジナルアルバムでは、「THE BLUE HEARTS」に収録されています。
1987年にリリースされたアルバムです。
2022年の2月24日、ロシアのプーチン大統領がウクライナに対して宣戦布告し、ロシアとウクライナとの間で戦争が始まりました。
この戦争に関する報道を見ると、胸が痛みます。
今回紹介する、ブルーハーツの「爆弾が落っこちる時」の歌詞は、「反戦」のメッセージが込められています。
戦争に関する報道を見た後でこの曲を聴くと、歌詞が今まで以上に心に染みます。
そして、この曲の歌詞の込められたメッセージは、戦争を考える上で、非常に重要だと感じました。
この曲は1987年にリリースされた曲ですが、この歌に込められたメッセージは、今なお古びていません。
そこで、今回は、「爆弾が落っこちる時」に込められたメッセージについて、詳しく考察していきます。
ちなみに、この曲の作詞・作曲者は、真島昌利(マーシー)です。
「何も言わないってことは 全てを受け入れることだ」
まずは冒頭の部分の歌詞を見ていきましょう。
誰一人 望んではいないのに
誰一人 喜んじゃいないのに
爆弾が落っこちる時 何も言わないってことは
爆弾が落っこちる時 全てを受け入れることだ
爆弾を落とされることは、誰も望んでいません。
そして、誰も喜んでいません。
しかし、多くの場合、国の指導者の都合で、爆弾が落とされます。
2022年の2月24日から、ウクライナの街には、ロシア軍から爆弾が落とされています。
そういったニュースを見て、心を痛めている人は沢山います。
しかし、そのニュースを見て、実際に「戦争反対」と言っている日本人は、ごくわずかです。
多くの日本人は、「酷いことが行われている」と心の中で思いながらも、何も言いせん。
ただ、何も言わないと、『全てを受け入れる』という意志表示になってしまいます。
この歌詞は、そういったことを改めて気づかせてくれます。
戦争が行われているのに、「戦争反対」と言わなければ、他の人から、「あの人は、戦争に賛成しているんだろうな」「戦争が起こっても仕方ないと考えているんだろうな」と思われてしまいます。
「戦争反対」「戦争を今すぐやめてほしい」と思っているなら、そのことを口に出して言わなければなりません。
そうしないと、「戦争に反対である」という気持ちは、他の人に伝わらないからです。
「戦争反対」と言わなければ、戦争を仕掛けているロシアの大統領・プーチンの耳にも入りません。
戦争反対の声が彼に入らなければ、「世論も自分の味方である」と思い、ウクライナへの侵攻をやめないでしょう。
しかし、「戦争反対」の声が世界中で増えて、その声が彼の耳に入れば、彼も少しは考えるでしょう。
その声があまりに大きくなれば、「世論を敵にまわすとまずい」と思い、ウクライナへの侵攻をやめる可能性もあります。
そのため、「戦争は嫌だ」「罪のない人に爆弾が落とされるのは嫌だ」と思っているなら、その気持ちを発信しなければなりません。
日本でも、ロシアとウクライナの戦争に関する反対デモが行われています。
「戦争反対」と考えている人は、そのデモに参加するのもいいでしょう。
また、デモに参加するのが難しい方は、Twitter・インスタグラム・フェイスブックなどのSNSで発信するのもいいでしょう。
そういう場合、「日本語で戦争反対と言っても、意味ないのでは?」と思う人もいるでしょう。
しかし、今の時代は、日本のTwitter上で戦争反対という意見が増えると、外国のメディアが「日本でも反戦の声が多くなっている」という風に報道してくれたりします。
そのニュースを、プーチンやロシア政府の人間が目にする可能性もあります。
また、最近のTwitterは「自動翻訳」の機能が付いていたりします。
そのため、海外の人も、自動翻訳を使って、日本語のツイートの意味がわかったりします。
海外の人が日本語の反戦のつぶやきを見て、「日本人も戦争に反対してくれている」と気づくこともあるでしょう。
「多くの日本人も戦争に反対してくれている」と海外の人が気づくことにより、海外でさらに反戦の声が高まる可能性もあります。
そのため、日本語で反戦を発信することには、しっかりと意味があります。
この曲がリリースされた1987年と2022年では、社会の状況は変化しています。
しかし、「戦争に反対ならば、その意見を発信しなければいけない」という点は、1980年代であろうと、2020年代であろうと、共通しています。
「僕の自由が殺される 全ての幸せが終わる」
さらに、続きの歌詞を見ていきましょう
僕は自由に生きていたいのに
みんな幸せでいるべきなのに
爆弾が落っこちる時 僕の自由が殺される
爆弾が落っこちる時 全ての幸せが終わる
この歌詞も、「まさにその通りだな」と感じます。
爆弾を落とされたら、自由がなくなります。
そして、その前まで幸せを感じていた人でも、爆弾を落とされた瞬間、その幸せは終わります。
また、今後、手にいれられるはずだった幸せも奪われてしまいます。
「いらないものが多すぎる」①
さらに、この曲のキーとなるフレーズが出てきます。
いらないものが多すぎる
短いフレーズですが、このフレーズには、色んな意味が込められています。
ここで言う「いらないもの」というのは、「戦争に関わる様々なこと」という意味だと思います。
具体的には、「武器・兵器」「権力者の支配欲」「戦争による利権」などです。
こういったものは、一部の権力者にとっては、必要なものかもしれません。
しかし、一般庶民には、まったくいりません。
こういうものがあると、一般庶民の命や生活が脅かされます。
ただ、悲しいことに、世の中には、こういった「いらないもの」が溢れています。
「大人も子供も 左も右も関係ない」
この後の歌詞も見ていきましょう。
大人も子供も関係ないよ 左も右も関係ないだろ
爆弾が落っこちる時 天使たちは歌わないよ
爆弾が落っこちる時 全ての未来が死ぬ時
この歌詞に出てくる「左も右も」というのは、政治的な「左派」と「右派」という意味だと思います。
爆弾が落とされる時というのは、ある意味ではみんな「平等」です。
爆弾を落とされると、大人も子供も、左派の人も右派の人も、みんな怪我をしたり、死んでしまったりします。
あらゆる人にとって「最悪の事態」と言えます。
爆弾を落とされると、爆弾の下にいる人の未来は、全て死にます。
いらないものが多すぎる②
そして曲の最後に、また、曲のキーとなるフレーズが連呼されます。
いらないものが多すぎる
曲の最後にこのフレーズを連呼されると、本当に、「戦争はいらない」「戦争に関わる全てのことはいらない」と思わされます。
まとめ
今回は、ブルーハーツ「爆弾が落っこちる時」の歌詞の考察を行ってきました。
改めて歌詞をじっくり見てみると、「いつまで経っても古びない曲だな」と感じます。
世の中から、戦争は、なかなかなくなりません。
「戦争が起きた」というニュースを聞いてから、この曲を聴くと、「その通りだ」と改めて思います。
「反戦ソング」として、普遍的な力を持った曲だと思います。
この記事をみてこの曲が気になった方は、改めてじっくり聴いてみてください。
そして、「戦争を起こさないためにはどうすればいいか」「戦争を止めるためには、自分達に何ができるか」ということについても、少し考えてみてください。