2021年の9月17日現在、千葉ロッテマリーンズは、パリーグの首位です。
9月以降で、ロッテが単独首位になるのは、実に51年ぶりとのことです。
自分はロッテファンですが、51年ぶりというのは、驚きました。
実に半世紀ぶりです。
ロッテがシーズン1位で優勝したのは、1974年までさかのぼります。
ということは、47年間、シーズン1位での優勝から遠ざかっている訳です。
ロッテは、2005年と2010年に日本一になっています。
しかし、どちらの年も、1位で優勝した訳ではありません。
ロッテファンは、「シーズン1位での優勝が見たい」と前からずっと思っています。
ロッテにとって、シーズン1位での優勝というのは、非常にレアです。
他球団の比ではありません。
そのため、「自分が生きている間に、一度でいいからシーズン1位での優勝が見たい」というファンも多いです。
これは、野球に詳しくない人からすると、「そんな大げさな」と思うでしょう。
しかし、ロッテファンにとっては、大げさでも何でもありません。
ほとんどのロッテファンは、シーズン1位での優勝を自分の目で見たことがないのですから、そう思うのも自然なことです。
今年のロッテは強く、十分に優勝が狙えるチームです。
そこで、ここからは、今年のロッテがなぜ強いのか、自分なりに分析してみようと思います。
今年のロッテが強い理由
打線が強力
今年のロッテは、「打率、得点、本塁打」全てで、リーグのトップクラスにいます。
やはり、「荻野、中村、藤岡」といった、中心選手の打撃が好調なのがその要因の一つでしょう。
また、「マーティン、レアード」といった外国人選手が好調なのも大きいです。
今年は、他球団の外国人打者は苦戦しています。
しかし、ロッテの場合は、ホームランを打てる外国人打者が2人もいるので、打線に厚みがあります。
そして、レアードに至っては、打率も例年より高いので、他球団にとっては、より脅威です。
それ以外に、「角中、安田」も、勝負どころでしぶといバッティングをします。
「山口」も、打率は低いものの、一発があります。
今年のロッテは、好調な選手が多いため、「切れ目のない打線」になっています。
そのため、下位打線からでも、チャンスが作れます。
切れ目のない打線になっているため、今年のロッテは、終盤での逆転も非常に多くなっています。
勝ちパターンの継投が安定している
現代の野球においては、「7回、8回、9回」の継投が非常に重要になっています。
ここに安定した投手を置けるかで、勝ち数は大きく変わってきます。
今年のロッテは、「勝ちパターンの継投」が非常に安定しています。
現在は、「7回・国吉」「8回・佐々木千隼」「9回・益田」という勝ちパターンになっています。
中継ぎに関しては、シーズン途中で唐川が離脱したことにより、「ロッテの中継ぎは、厳しいのではないか?」という声も挙がっていました。
しかし、シーズン途中で加入した国吉が、その穴を見事に埋めてくれました。
国吉は、横浜では「便利屋」的な扱いで使われていました。
しかし、ロッテでは、「勝ちパターンで、基本的に回またぎはしない」という方針で使われています。
それにより、本人の中に責任感が出て、良いパフォーマンスに繋がっているのではないかと思います。
佐々木千隼は、今年、中継ぎとして見事に復活しました。
最初は「果たして、中継ぎの適正があるのか?」と言われていましたが、現在は、中継ぎとして素晴らしい仕事をしてくれています。
ゆったりしたフォームの割に強い球が来るので、打者は打ちづらいようです。
益田は、シーズン初めは、立て続けに救援を失敗する場面がありました。
そこで、「今年の益田はダメだ」と言う人が沢山いました。
しかし、そこから見事に立て直しました。
今では、「益田なら、きっと抑えてくれる」という信頼感があります。
守備が安定している
今年のロッテは、内野・外野ともに、守備が非常に安定しています。
そのため、「エラーで大量失点」という場面が少なくなっています。
また、抜けそうな当たりを守備で防ぐ場面も多く見られます。
シーズン途中は、「捕手の守備がイマイチ」という評価もありましたが、田村が復帰して、加藤匠馬をトレードで獲得したことにより、捕手の守備も安定しました。
また、今季から加入したショートのエチェバリアも、「さすが元メジャーリーガー」といった凄い守備を見せています。
現在のロッテは、守備に大きな穴はないと思います。
やはり、守備が安定していると、勝ちを拾えます。
盗塁でかき回せる
ロッテには、「荻野、藤原、岡、和田」といった足の速い選手がいます。
また、「中村、藤岡」も、足は遅くないので、盗塁できます。
そして、マーティンも、走塁意識が高いので、隙があれば盗塁を狙ってきます。
そういったことで、チーム盗塁数は多くなっています。
「チームとして盗塁ができる」ことで、攻撃力はより増しています。
特に、「和田」の足は、相手チームにとって脅威だと思います。
終盤に代走で出てくることが多いですが、和田の足で拾ったような試合も、沢山あります。
シーズン途中の補強が当たっている
今年のロッテは、「国吉」「加藤匠馬」をシーズン途中のトレードで獲得しました。
国吉は勝ちパターンに入り、加藤匠馬は正捕手になっています。
また、「ロメロ」もシーズン途中に獲得し、先発として素晴らしいピッチングをしています。
独立リーグから「小窪」も獲得しましたが、初スタメンの試合で、いきなりホームランを打ちました。
「シーズン途中の補強」がことごとく当たっているのです。
これも、ロッテが首位にいる要因の一つだと思います。
チームの雰囲気が良い
ロッテというのは、元々、「上下関係がそれほど厳しくないチーム」です。
「ベテラン選手には絶対に逆らえない」といった堅い雰囲気はあまりありません。
例えば、野手では、荻野は、ベテラン選手ですが、若手とフランクに話している場面もよく見ます。
投手陣では「益田、石川、美馬」がベテランですが、こちらも、年上として偉ぶるような様子はありません。
外国人の「レアード、マーティン、エチェバリア」あたりも、明るい性格で、日本人選手ともうまくコミュニケーションを取っています。
キャプテンの中村奨吾も、キャプテンだからといって偉ぶる様子はありません。
最近は、広報が選手の日常に関する動画をあげてくれていますが、そういうのを見ても、「チームの雰囲気はいいんだろうな」というのが伝わってきます。
チームとして風通しが良く、雰囲気が良いため、よりチームとして強くなっているような印象があります。
監督・コーチの手腕
今のロッテの快進撃は、「監督・コーチによるチーム作り」の成果だと思っています。
井口監督は、監督に就任した時から、長期的な視点でチーム作りをしてきました。
ドラフトでは、その時点では粗削りでも、伸びしろの大きい選手を多く指名してきました。
そういった選手が、少しずつ育ってきています。
また、監督の人脈も使いながら、指導や育成力に定評のある優秀なコーチを集めています。
ロッテの守備力が向上したのは、「鳥越2軍監督」や「森脇守備コーチ」の指導も大きいと思います。
また、今のロッテの投手がうまく機能しているのは、吉井コーチの手腕が大きいと思います。
吉井コーチは「理論派」として知られるコーチです。
連投の制限、球数の制限を行い、選手に負荷がかかりすぎないよう、しっかりと管理しています。
それにより、投手が力を発揮しやすくなっています。
また、ロッテの打撃が好調なのは、松中臨時打撃コーチの指導の影響もあると思います。
井口監督は、ただ監督として采配を振るうだけでなく、「コーチを含めた長期的なチーム作り」を行ってきました。
それにより、徐々にチームが強くなり、首位に立つまでになりました。
井口監督の采配については、「バントを多用しすぎる」という批判もあります。
確かに、見ていて、「そこまでバントにこだわらなくてもいいのでは?」と思う場面もあります。
しかし、細かいだけでなく、「周囲の予想を裏切る、思い切った起用」をして、それが当たる時もあるので、采配面でも光るものは感じます。
まとめ
今年のロッテについて詳しく見ていくと、「大きな穴がないチーム」と言うことがでるでしょう。
今のロッテに、「球界を代表するようなスーパースター」はいません。
しかし、そういう選手がいなくても、「走攻守」のバランスが良く、強いチームになっています。
強いて言えば、先発投手がやや物足りない部分がありましたが、後半になって調子を上げてきました。
そうなると、余計に隙がありません。
ただ、まだ試合は32試合も残っていますから、油断は禁物です。
油断していると、調子を落とし、首位から陥落する恐れもあります。
しかし、今年のロッテは、十分に優勝を狙えるチームですので、ファンとしては、何としてでも「47年ぶりのシーズン1位での優勝」を達成してほしいです。