人は、ふとした時に、昔を振り返ることがあります。
ついつい、「昔の良い思い出」を思い出して、それに浸ってしまうことがあります。
ただ、世の中には、たとえ良い思い出であっても、「昔を振り返ることは良くない」と言う人もいます。
そういう人は、「昔を振り返るのは、時間の無駄。そんな時間があるなら、今に集中しろ」と言います。
そのような意見を聞くと、「確かにそうかもな」と思ったりします。
昔のことというのは、「過ぎ去ってしまい、今はもうないこと」です。
今はもうないことを思い出して、思い出に浸るのは、確かに無駄な気もします。
しかし、人によっては、「昔の良い思い出」を思い出すことで、気持ちが前向きになることもあります。それは、果たして、良くないことなのでしょうか?
そういったことを考えると、「昔を振り返るのは良くないこと」とは、一概に言えない気がします。
しかし、逆に、「昔の良い思い出」を思い出すことで、気持ちが後ろ向きになることがあります。これは、あきらかに時間の無駄で、良くないことです。
では、「昔の良い思い出」を思い出した時、どういう場合に気持ちが前向きになって、どういう場合に気持ちが後ろ向きになるのかを考えていきます。
今、自分が置かれている現状と関連付けず、「今とは別のこと」と切り離して昔のことを楽しめる場合は、気持ちが前向きになります。
しかし、今、辛い状況に置かれていて、「昔の楽しかった時」と今を比較してしまう場合は、気持ちが後ろ向きになります。
ですから、「昔の楽しい思い出」を思い出した時に、「あの頃はよかった」とか「あの頃に比べて、今はダメだ」という気持ちが湧いてきたら、その思い出に浸るのは辞めましょう。
「あの頃はよかった」とか「あの頃に比べて、今はダメだ」という気持ちが浮かんでくるということは、過去と今とを比較してしまっている証拠です。
そのため、その思い出に浸ってしまうと、今の自分を否定してしまうので、マイナスです。ただの時間の無駄です。
そういった気持ちが湧いてきたら、直ちに過去を思い出すことは辞めてください。
逆に、「昔の良い思い出」を素直に楽しめる場合は、その思い出にどっぷりと浸っていいでしょう。昔のことを素直に楽しめるということは、今と昔を比較していないということです。
それならば、「昔の良い思い出」を思い出すことで、気持ちが前向きになり、自分にとってプラスになります。
人間、なかなか過去からは逃れられないものです。
ただ、逃れるのが難しいのであれば、少し考え方を変えましょう。
無理に逃れようとするのではなく、「過去をうまく利用する」ことを考えましょう。
「過去の思い出」をうまく利用して、今の自分の気持ちを、より良い方向に持って行くようにしましょう。