今回は、「orSlow(オアスロウ)」というブランドを紹介します。
オアスロウは、2005年に、仲津一郎氏によって立ち上げられた日本のブランドです。
ヴィンテージの「ワークウエア」や「ミリタリーウエア」をモチーフにした洋服を作っています。
ヴィンテージウエアに見られる素材や製法を再現しながらも、シルエットは現代的で着やすくなっているのが特徴です。
ただ、極端に細身というわけではなく、「細すぎず、太すぎず」といった、ちょうどいいシルエットのアイテムが多いです。
そして、このブランドのアイテムは、日本で作られており、日本製ならではの作りの繊細さも魅力です。
ここからは、オアスロウの中でも、特におすすめのアイテムを紹介していきます。
40’sカバーオール
カバーオールとは、昔のアメリカの労働者が、作業時に着ていたジャケットのことです。
こちらのアイテムは、その名前の通り、1940年代に使用されたいたカバーオールのデザインがモチーフになっています。
1940年代というのは、第二次世界大戦の頃です。
当時は、戦争による物資不足のため、多くのブランドで、統一された月桂樹ボタンを使用していました。
こちらのモデルも、月桂樹ボタンを使用しています。
トップから3つ目のボタンホールは、懐中時計が主流だった時代にポケットに入れた懐中時計をつなぐチェーンを通すためのものということです。
第二次世界大戦の頃のモデルは、物資不足のため、ディティールが簡略化されたデザインの物が多いです。
こちらのモデルも、カバーオールにしてはシンプルな作りです。胸ポケットも、一つしかありません。袖付けも、ベーシックなセットインスリーブです。
ただ、シンプルな分、着回しはしやすくなっています。
生地は、ヴィンテージに近い風合いのものを用いています。
そのため、着こむごとに、デニム生地特有の、味わい深い経年変化が楽しめます。
50’sカバーオール
こちらは、1950年代に使用されていたカバーオールのデザインをモチーフにしたアイテムです。
袖がラグランスリーブになっており、腕が動かしやすい作りになっています。
胸ポケットは、両胸についています。
1940年代のモデルに比べ、ディティールが凝っています。
「これぞ、カバーオール」という作りで、カバーオール特有のディティールの面白さを味わいたいなら、このモデルが最適でしょう。
こちらも、生地は、ヴィンテージに近い風合いのものを用いています。
「105」デニムパンツ
こちらは、リーバイスの501をモチーフに作られたデニムパンツです。
シルエットは、やや太めのストレートシルエットです。
フロントは、501と同様、ボタンフライとなっています。
まさに「ジーンズの王道」とも言える雰囲気で、様々なスタイルに合わせやすいモデルです。
旧式の織機を使って生地を織っています。そのため、サイドには「耳」が付きます。
そして、履き込むと、ヴィンテージデニムのような、味のある色落ちが楽しめます。
「107」デニムパンツ
こちらは、リーバイスの505をモチーフに作られたデニムパンツです。
「105」よりも、細身です。ストレートシルエットとなっています。
フロントは、505と同様、ジッパーフライを使用しています。
1960年代の東海岸のアイビーリーガーをイメージして企画されたモデルとのことです。
こちらのモデルは、少しきれい目なアイテムと合わせると、相性がいいでしょう。
「105」と同様、旧式の織機を使って生地を織っていて、サイドには「耳」が付きます。
そのため、こちらも、味わい深い色落ちが楽しめます。
ペインターパンツ
昔のアメリカのペンキ職人が、作業をする際に履いていたパンツがモチーフとなっています。
こちらのパンツには、ハンマーをひっかける「ハンマーループ」や、スパナなどの工具を入れるためのポケットもついています。
また、作業着ということで、バックポケットは大きめです。
オアスロウのペインターパンツには、「中古加工」や「ペイント加工」が施されたモデルもあります。
この加工の出来栄えが、見事です。
ヴィンテージに近い風合いの生地に、リアルな色落ち加工や、ペンキが飛んだような加工が施されています。
「orSlow」のタグがなかったら、本物のヴィンテージ古着に間違えてしまいそうです。
また、金属ボタンにも、錆びたような加工が施されており、見れば見るほど、「リアルだな」と感心させられます。
こちらの加工は、ヴィンテージ古着のマニアも唸らせるような、本当に素晴らしい出来栄えだと思います。
USアーミーファティーグパンツ
アメリカの陸軍で用いられていた作業用パンツをモチーフに作られたアイテムです。
この商品を手に取ってみると、表面に少しざらつきがありながらも、しなやかで柔らかい生地を使っていることがわかると思います。
そいういった「生地感」が魅力的な商品です。
そして、こちらもデニムと同様、着こむほどに味が出てきます。
着こんでアタリが出て、生地がクタクタになった状態は、味わいがあって、新品とはまた違った良さがあります。
「細すぎず、細すぎず」といった、ちょうどいいシルエットになっています。
また、こちらのモデルは、無地だけでなく、迷彩柄も出ています。
この迷彩柄も、すごくいい出来です。
少しぼやけたような迷彩柄になっています。
迷彩柄というのは、どうしても主張の強い柄なので、普段のコーディネートに合わせると、迷彩柄が浮いてしまいがちです。
しかし、こちらのような少しぼやけた迷彩柄だと、迷彩柄の主張が抑えめになり、普段のコーディネートに合わせやすくなっています。
そして、履き込むと、この迷彩柄が色あせてきて、さらに良い雰囲気になってきます。
まとめ
オアスロウについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
こちらのブランドは、あまり派手さはないものの、ヴィンテージウエアをよく研究して作られており、細部に非常にこだわっています。
そのため、アメカジやヴィンテージ古着が好きな方には、グッとくるブランドではないかと思います。
写真で見るより、実際に商品を手に取ったり、着用してみた方が、より魅力がわかるブランドと言えるでしょう。
ただ、こちらのブランドは、細部にこだわって作っているため、値段がどうしても高くなってしまうという部分もあります。
そのため、オアスロウのアイテムを店頭で見て、「物は確かにいいけど、値段がちょっと高いな」と思い、なかなか手が出ないという方もいるでしょう。
「新品の価格だと、なかなか手が出ない」という方は、中古を探してみるのも手です。
オアスロウのアイテムは、作りが良く、着こむほどに味の出るものばかりです。
そのため、中古で買っても、あまり気になりません。
逆に、中古の方が、良い味が出ていていいという場合もあるかもしれません。
それに、中古ならば、大体、新品の半額以下で買うことができます。これは、非常にお得です。
ブランド古着屋やリサイクルショップに行くと、それほど数は多くないものの、時々、オアスロウのアイテムを見かけることがあります。
また、メルカリやヤフオクで「オアスロウ」と検索すると、オアスロウのアイテムを探すこともできます。
「高くてなかなか手が出ない」という方は、まずは中古のものを探して、買ってみるのがいいかもしれません。
オアスロウのアイテムは、「シンプルで、長く付き合えるアイテム」が多いので、持っていて損はないと思います。
そして、オアスロウのアイテムをどんどん着こんで、「自分なりの味」が出てくると、さらに愛着が湧いてくるはずです。