自分は、以前、人生に行き詰っていた時、「自分を変えたい」と思って、一度だけ、自己啓発セミナーに参加したことがあります。
ただ、今思えば、自己啓発セミナーというのは、それほど良いものだったとは思いません。
確かに、それに参加することで得られるものもありますが、参加費が異常に高く、コストパフォーマンスは悪いです。
しかし、後になって思い返してみると、「あれは、体験としては、なかなか面白かったし、貴重な体験だったな」と思うようになりました。
そこで、今回は、「自己啓発セミナーに参加した時の体験談」を語っていこうと思います。
参加する経緯
その自己啓発セミナーに参加したのは、知人からの紹介でした。
知人も、そのセミナーに参加した経験があるらしく、「すごくよかったから、将来に迷っているなら、参加してみたら?」と勧められました。
最初は、そのセミナーの参加費が高額だったので、迷いました。
しかし、その知人は、信用できる人柄だったため、思い切って参加することにしました。
費用
費用は、確か、トータルで30万円くらいだったと思います。
今思うと、30万円は、かなり高額です。
しかし、当時は、ある程度の貯金があり、生活にも多少、余裕がありました。
そのため、「30万円なら、出せない金額ではない」と思い、「自分を大きく変えるきっかけになれば」と思い、思い切って30万円を支払いました。
日程
日程は、2泊3日でした。
場所
場所は、山の中にある宿泊施設でした。
自己啓発セミナーとういうのは、「普段の生活とは違う雰囲気の場所」の方が効果的なので、山の中で行っているのだと思います。
その中には、広いホールのようなスペースもありました。
そういったスペースを使って、ワークショップを行っていきました。
参加中のこと
セミナーの流れ
このセミナーには、講師がいます。
講師の教えに従って、期間中にいくつものワークショップを行うという流れで進んでいきました。
参加人数
はっきりとは覚えていませんが、15人くらいだったように思います。
自己紹介
セミナーの最初は、自己紹介をします。
普段、どのような仕事をしているか、どのような目的で、このセミナーに参加したかを、皆の前で発表していきます。
ニックネームを決める
そして、セミナーの中で使用する「ニックネーム」を決めました。
「○○ちゃん」のような、小学校時代に友達から呼ばれていたようなニックネームになることが多かった気がします。
ニックネームを決めることで、「連帯感が高まる」「心を開きやすいようになる」「子供の頃の気持ちに戻りやすい」といった効果があるように思います。
参加者の就いている職業
参加者の就いている職業としては、「社長」が圧倒的に多かったです。
これは、参加費が「30万円」と高額ということもあると思います。
参加費が高額なので、自然と、収入の多い「社長」が多く参加していたのでしょう。
また、会社の経営というのは、色々と悩みがつきものです。
そのため、「何か新しい気づきを得たい」と思って、こういうセミナーに参加するのでしょう。
3日間、寝食を共にする
泊まるところは、大部屋に、男女に分かれて泊まりました。
大部屋に布団を敷いて、雑魚寝というスタイルです。
また、食事は、宿泊施設の方で用意してくれる食事を食べました。
決まった時間に、皆で食べるというスタイルです。
こういった、「合宿」のような形で寝食を共にすることで、初めて会った同士でも、親密感や連帯感が深まる感じがしました。
親への気持ちを告白する
ワークショップの中で印象的だったのは、「親への気持ちを告白する」ワークショップです。
自分が子供に戻ったつもりで、親への気持ちを告白します。そして、親に対して、「こうしてほしかった」などと、気持ちをぶつけるのです。
こういったワークショップでは、感極まって号泣してしまう人もいます。
誰でも、親に対しては、複雑な気持ちを持っているものです。
大人になってからも、「子供の時、ああしてほしかった」という気持ちは残り続けたりします。
そういった気持ちを吐き出すことで、「カタルシス効果」を得られ、すっきりするのだと思います。
秘密の告白
「隠していた秘密を告白する」というワークショップも行われました。
最初は、小さな秘密の告白くらいだったのが、時間が経つにつれ、皆、大きな秘密を告白することになります。
そして、そういった告白を言う方も、聞く方も、号泣といった雰囲気になります。
こういった「言えなかった秘密」を言うことで、言う側は、すっきりします。
そして、聞く側も「よくぞ、そんなことを言ってくれた!」という気分になり、グループの親密感や連帯感が高まっていきます。
ワークショップ中に、スキンシップを多くとらせる
自己啓発セミナーに参加して、印象的だったのは、「スキンシップを多くとらせる」ということでした。
ことあるごとに、ハグをしたり、手をつないだりします。
参加者は、最初は、照れてぎごちないのですが、繰り返すうちに、スキンシップを取ることに、抵抗がなくなってきます。
スキンシップを多くとらせるのは、「参加者の連帯感を高める」「参加者が自己解放しやすくなる」といった目的なのだと思います。
トンネルをくぐるワークショップ
自己啓発セミナーの終盤には、「トンネルをくぐるワークショップ」を行いました。
参加者は、「トンネルを作る人、大勢」と「トンネルをくぐる人、一人」に分かれます。
「トンネルを作る人」は、四つん這いになって、トンネルを作ります。
「トンネルをくぐる人」は、その中を、四つん這いでくぐっていきます。
トンネルを作る人は、トンネルを通る人が簡単に通れないように、トンネルと通る人が来ると、道を狭くします。
トンネルを通る人は、それに負けないように、なんとかトンネルをくぐって、ゴールに向かいます。
参加者は、全員、必ず1回は「トンネルをくぐる人」になって、トンネルをくぐる体験をします。
これはおそらく、「苦労して何かを達成させる」ということを目的としたワークショップだと思います。
実際にやってみると、確かに、達成感がありました。
苦労してゴールまで辿り着いた時は、なんだか生まれ変わったような気分になりました。
「将来の夢」を書くワークショップ
自己啓発セミナーの一番最後には、「将来の夢」を書くワークショップがありました。
大きな紙に、自分が将来やりたいことや、夢を、どんどん書いていくのです。
このワークショップの前に、「トンネルをくぐるワークショップ」を行っていたので、皆、気分はかなり高揚していました。
そのため、何を書こうか考え込んでいる人は少なく、皆、すらすらと、やりたいことを書き込んでいました。
そして、その紙は、自分で持って帰ってよいということになりました。
そんな形で、自己啓発セミナーは終わりました。
参加し終わった直後
参加し終わった直後は、やる気がみなぎっていて、高揚感があり、活動的に過ごしていたように思います。
参加し終わって、少し時間が経った後
前述のように、自己啓発セミナーに参加して、1ヵ月くらいは、気分が高揚し、活動的に動いていました。
しかし、1ヵ月を過ぎると、段々、気分も元に戻りました。
人によって違いはあると思いますが、自分の場合、気分が高揚するのは、せいぜい1ヵ月くらいでした。
その後は「普段の自分」に戻ってしまいました。
まとめ
「自己啓発セミナーに参加した時の体験談」について語ってきましたが、いかがでしょうか。
「お金にかなり余裕があって、すぐにやる気を出したい」という人は、自己啓発セミナーに参加してみてもいいかもしれません。
しかし、自分の意見としては、30万円分の価値があるかといったら、微妙です。
確かに、参加した後の1ヵ月は、やる気が出ました。しかし、その後は、元の自分に戻ってしまいました。
「1ヵ月のやる気を出すために、30万円を払う」というのは、コストパフォーマンスが悪いなという印象です。
また、世の中には、「宗教がらみの、非常に怪しい自己啓発セミナー」もあります。
そのため、あまり調べずに、よく知らない自己啓発セミナーに参加するのは危険です。
そういったセミナーに下手に参加すると、洗脳されて、抜け出せなくなる恐れもあります。
実際、こういった自己啓発セミナーの手法が、新興宗教に取り入れられていることもあります。
もし、「この自己啓発セミナーに参加してみたい」と思ったら、まずは、ネットでそのセミナーについての評判を調べてみることをお勧めします。
そして、評判を調べてみて、怪しくなさそうだったら、参加してみてもいいのではないでしょうか。
ただ、そんなことを言いながらも、自分は、もう二度と自己啓発セミナーには参加しないと思いますが(笑)。
しかし、「人生経験」という意味では、なかなか興味深い経験でした。