「スピッツ」が好きな人は多いと思いますが、僕も、好きなバンドの一つです。
スピッツは、様々な魅力があるバンドです。ただ、その中でも、僕自身は、「歌詞」にとても魅かれています。
スピッツの歌詞は、ボーカル・ギターの草野マサムネさんが担当しています。
草野さんの書く歌詞は、言葉選びが独特で、なかなか他では見られないような表現となっています。
歌詞というより「ポエム」に近いのかなと感じます。それも、かわいらしさのあるポエムです。
スピッツの代表曲の一つに「ハチミツ」という曲があります。この曲の歌詞も、工夫がこらされていて、すごく好きです。
今回のブログ記事では、「ハチミツ」の歌詞を詳しく見ていきます。
「ハチミツ」の歌詞は、まず、冒頭の部分がすごくいいなと思います。
一人空しくビスケットの
しけってる日々を経て
この歌詞を聴いて、「うまい!」と思いました。
「しけっている日々」という表現であれば、たまに見たことがあります。これは、「うまくいかなくて、くすぶっている日々」といったような意味でしょう。
しかし、そこに「ビスケットの」が入ることで、一気に印象が変わります。「ビスケットの」が入ることで、どこかかわいらしさが加わります。
「しけっている日々」だけだと、どこか暗い印象になります。しかし、「ビスケットの」が入ることで、暗い中にもかわいらしさが入るので、少し明るさも加わります。
「ビスケットのしけっている日々」というのは、なかなか草野さん以外は思い浮かばない言葉だと思います。
他にも、この部分の歌詞も好きです。
おかしな恋人
ハチミツ
溶かしていく
蝶々結びを
ほどくように
この表現も、聴いていて「うまい!」と思いました。
ここは、「蝶々結び」という言葉を選んだのがポイントだと思います。
あえて、「蝶結び」ではなく、「蝶々結び」にしたところがさすがだなと思いました。
口に出した時のことを考えると、「ちょうむすび」より、「ちょちょうむすび」の方が、さらにかわいい感じがします。そのかわいさによって、曲に華やかさが加わっています。
このように、スピッツというバンドは、「比喩の使い方」が、いちいちかわいいのです。そして、かわいいのに、あざとさがないところも素晴らしいです。「かわいくしよう」と狙っている感じはあまりなく、「自然に、かわいい言葉が出てきてしまった」という感じがします。
それが、草野マサムネさんの「唯一無二の個性」だと思います。そういった個性があるからこそ、多くの人に支持されているのでしょう。
ですから、今後、スピッツの曲を聴く際は、「歌詞の比喩表現」に注目して聴いてみてください。
そうすると、ここで紹介したもの以外にも、「絶妙な、かわいい比喩表現」が見つかって、よりスピッツの楽曲を楽しめると思いますよ。