自分は、「プロ野球観戦」が趣味です。
時間がある時は、よくプロ野球の中継を見ています。
そして、プロ野球を見続けていると、選手だけでなく、「監督」のことも気になってきます。監督の采配によって、チームの状況は大きく変わってくるので、「この監督は、どういう采配をふるっているのだろう?」と気になってくるのです。
プロ野球の現役の監督は、全部で12人いますが、最近、自分が特に気になっている監督がいます。
それは、「阪神タイガースの矢野監督」です。
自分は、プロ野球のチームでは、千葉ロッテマリーンズのファンです。そのため、セ・リーグかパ・リーグかで言うと、断然、「パ・リーグ派」です。
そのため、セ・リーグについては、そこまで細かくチェックしていませんでした。
ただ、今は、交流戦が行われています。そのため、セ・リーグとパ・リーグのチームが戦っているため、セ・リーグのチームを見る機会が増えました。
そこで、最近、阪神の選手は、なんだか活き活きとプレーしているように映りました。そして、阪神の選手が活躍すると、矢野監督が、笑顔でガッツポーズをしていました。
「こういうことをする監督って、なんだか珍しいな」と思い、矢野監督に興味がわいてきました。
そこで、矢野監督について色々と調べてみたところ、「この監督は、指揮官として素晴らしいな」と思いました。そうなると、さらに矢野監督について興味が出てきました。
そこで今回は、矢野監督の経歴と、「監督としての素晴らしさ」について、色々と語っていきたいと思います。
矢野監督について
まずは、矢野監督について説明します。
矢野監督は、フルネームは「矢野 燿大(やの あきひろ)」といいます。ただ、これは登録名で、本名は「矢野 輝弘(やの あきひろ)」です。
年齢は、2019年の6月時点で、50歳です。
大阪出身です。
大阪市立桜宮高校、東北福祉大を経て、1991年に、ドラフト2位で中日に入団しました。ポジションはキャッチャーです。
そして、1997年まで中日でプレーし、1998年に、阪神に移籍します。
阪神では、2010年までプレーし、2010年に現役を引退します。
現役引退後は、野球評論家として活動します。
その後、2013年に、「侍ジャパン」の小久保監督から声がかかり、バッテリーコーチを務めます。これが、プロ・アマを通じて、初のコーチ就任となりました。
そして、金本氏の1軍監督就任を受け、2015年に、阪神の1軍作戦兼バッテリーコーチに就任します。
2018年には、掛布氏の後任として、阪神の2軍監督に就任します。そして、前年は最下位だったチームを、8年ぶりのリーグ優勝に導きます。そして、ファーム日本選手権も、12年ぶりに制しました。
2018年の10月には、金本氏の後任として、阪神の1軍監督に就任し、現在に至ります。
矢野監督の素晴らしいところ
矢野監督は、1軍監督としては、1年目で、ある意味では新人です。
しかし、それにも関わらず、矢野監督のインタビューを聞いたり、監督としての振る舞いを見ていると、「監督として、本当に素晴らしい」と感じます。
そこで、ここでは、「矢野監督の素晴らしいところ」についてまとめてみました。
苦しい時こそ「楽しもう」と選手に言っている
2019年シーズンの阪神は、開幕は連勝スタートを切ったものの、時には連敗もして、苦しい時期もありました。
野球というのは、勝てば楽しいですが、連敗している時は、苦しいものです。連敗すれば、選手はなかなか明るくなれないものです。
しかし、そんな時も、矢野監督は、「苦しい時こそ、楽しもう」と選手に言っているようです。そして、選手に言うだけでなく、監督自身も、苦しい時こそ、楽しむことを心がけているようです。
やはり、プロの野球選手であっても、元々は、「野球が楽しいから」続けてきたわけです。しかし、連敗したり、自分の調子が上がらないと、「楽しむ姿勢」を忘れがちになります。そういう時でも、監督自身が「楽しもう」と言ってくれると、選手の気分も上がりやすいのではないでしょうか。
自分のチームに点が入った時は、満面の笑顔でガッツポーズ
阪神に点が入った時、矢野監督が、満面の笑みで、ガッツポーズをしている姿をよく見ます。
矢野監督は、「嬉しさ」を前面に出す監督です。これだけ、嬉しさを前面に出す監督は珍しいと思います。
監督自身が、これだけ喜んでくれると、打った選手自身も、さらに嬉しくなるのではないでしょうか。
矢野監督が、笑顔でガッツポーズをしている姿は、メディアやファンからは、「矢野ガッツ」と呼ばれているようです。
基本的に、あまり選手を責めない
負けた時というのは、ついつい「戦犯」を探したくなります。負けた試合で、自分の采配を棚に上げ、選手を責めてばかりいる監督は沢山います。
しかし、矢野監督は、選手をあまり責めません。逆に、「自分の采配が悪かった」と思った時は、素直に監督としての責任を認めています。
ある試合では、勝ちパターンの投手の投入が遅れ、途中まで勝っていたのに、追いつかれて引き分けになってしまいました。
その試合後のミーディングで、矢野監督は、「自分の采配が悪かった」と選手に謝ったそうです。そして、「でも、負けないでくれてありがとう」と選手に言ったそうです。
確かに、負けた試合というのは、監督の采配にも問題がある場合が多いです。そのため、「監督の責任」というのも、少なからずあるというのが事実でしょう。
しかし、多くの監督は、「監督としての自分の責任」を認めたがりません。それを認めてしまうと、自分が責められるからです。そして、責任を認めてしまうと、「監督としての威厳が保てない」と思い、認めたがらない人もいます。
そこで、自分の責任を認めないかわりに、選手に全部責任を押し付ける監督もいます。確かに、プレーしている選手にもある程度責任はあります。ただ、采配のミスを棚にあげて、全部責任を押し付けられたら、選手はたまったものではありません。
これは、ある意味、「パワハラ」になります。選手は、上司である監督から、「今日負けたのは、お前が全部悪い」と言われたら、表面上は「はい、その通りです」と言うしかありません。内心は、「監督の采配の責任もある」と思っていても、そんなことは言えません。
こういったことが繰り返されると、「監督に対する不信感」がつのり、チームがバラバラになってしまう恐れがあります。
その点、監督自身が素直に采配の非を認めてくれると、選手自身も納得できるはずです。そして、監督が非を素直に認めてくれると、選手は、「チームのために頑張ろう」という気持ちになりやすいはずです。
ただ、そんな矢野監督でも、時には選手を責めることもあるようです。矢野監督は、「選手が、明らかな怠慢プレーをした時」には、選手を責めます。
ある試合で、大山選手が、スライディングするべき場面で、スライディングをせずにアウトになったことがありました。その怠慢な走塁に対して、矢野監督は、大山選手を責めていました。
ただ、怠慢プレーを責めることはあるものの、「積極的に行って、出てしまったミス」に関しては、基本的に選手を責めないようです。
目先の勝利ではなく、「選手の成長のため」の采配をしている
2軍の監督をしていたことも影響しているのか、矢野監督というのは、「選手の成長のため」の采配をよくします。
今シーズンの阪神は、若手選手を積極的に1軍で起用しています。これは、「1軍の試合を経験させて、若手の成長につなげたい」という意図が見えます。
目先の1勝ばかりにこだわるのではなく、「若手選手の成長」を意識して采配しているところは、好感が持てます。
サヨナラの時、ベンチを飛び出して、選手に抱きつく
今シーズンの阪神は、サヨナラ勝ちをすることもありました。そんな時に、矢野監督は、ベンチを走って飛び出して、満面の笑みで選手に抱きついていました。
この場面を見た時、「こんなことする監督は、他にいないな」と思いました。
サヨナラ打を打った選手も、監督が走ってきて抱きついてきてくれたら、嬉しさがさらに倍増すると思います。
阪神がサヨナラ勝ちした時のインタビューで、感極まって泣く
阪神の原口選手は、ガンが発覚して、治療のためしばらく休養していました。
しかし、今シーズンは、選手として復帰しました。
そして、復帰から間もない試合で、原口選手がサヨナラヒットを打って、阪神が勝った試合がありました。
その試合後の監督インタビューで、矢野監督は、感極まって、泣いていました。きっと、原口選手の辛さや、復帰までの努力を見て、こみ上げてくるものがあったのでしょう。この姿を見て、つくづく、「選手思いで、いい監督だな」と思いました。
また、この試合では、今まで1軍でなかなか結果を出せなかった高山選手や北條選手がうまくつないで、サヨナラのお膳立てをしていました。そういった、くすぶっていた選手が活躍してくれたことも、この涙の一つの要因になったのかもしれません。
カメラの前で、選手のプレーをしっかりと褒める
その、原口選手がサヨナラヒットを打った試合のインタビューで、もう1つ印象的な場面がありました。
そこでは、原口選手だけでなく、「梅野選手の3塁への盗塁」についても褒めていました。
「盗塁」というのは、サヨナラヒットに比べると、地味なプレーです。しかし、「あそこで走れるのは、本当に勇気がある。すごい」と、べた褒めしていました。
こういった、地味なプレーに対しても、カメラの前でしっかりと褒めてくれると、盗塁した選手もすごく嬉しいのではないかと思います。
まとめ
こういったエピソードを見ていると、矢野監督というのは、「選手のやる気を出させてくれる監督」と言えるでしょう。
矢野監督の姿を見たり、発言を聞いていると、選手も、「優勝して、矢野監督を胴上げしたい」という気持ちが高まるでしょう。モチベーターとして、本当に優秀な監督です。
そして、矢野監督というのは、ある意味で、「理想の上司」とも言えそうです。
会社に、矢野監督のような上司がいたら、部下もきっと、仕事のモチベーションが上がるでしょう。
矢野監督の振る舞いを見ていると、「こんな上司の元で働きたいな」ということを、ついつい思ってしまいます。ただ、日本の企業の中には、このような上司はほとんどいないのが、残念なところですが。
阪神の中心選手として活躍していた藤浪晋太郎も、矢野監督の元なら、うまく復活してくれるのではないかと、ひそかに期待しています。
矢野監督の、監督としての振る舞いが素晴らしいと感じたので、今年のセ・リーグは、阪神を応援しようかと考えています。
矢野監督は、1軍監督としては1年目なので、これから辛いことを沢山あると思います。しかし、そんな時でも、こういったスタンスを貫いていってほしいですね。
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