2019年の5月6日(月)に、「MDTフェスティバル2019」というライブイベントに行ってきました。
このイベントは、「ROVO」という日本のインストバンドが主催しているものです。
「MDT」というのは「Man Drive Trance」の略です。
ROVOというバンドは、「人力でトランスミュージックを演奏する」というコンセプトで作られたバンドです。それを英語にしたのが、「Man Drive Trance」というもので、その頭文字を取って、「MDT」という名前のフェスになっています。
このフェスは、毎年5月に、日比谷の野音で行われています。2003年から始まって、今年で17年目ということです。
毎回、ROVOだけではなく、2組ほど、ゲストミュージシャンも参加します。今年は、「トクマルシューゴ」と「toe」がゲストでした。
自分は、このイベントには、おそらく15年前くらいから参加しています。毎年参加はできていませんが、予定が合えば行くようにしています。今まで、5回くらいは参加していると思います。
このイベントは、「全席自由」「食べ物の持ち込み自由」「小学生以下の子供は、保護者がいれば無料」となっています。
食べ物の持ち込みが自由なので、お酒を沢山飲んで、だいぶ酔っ払っている人もいます。また、食べ物の持ち込みも自由なので、食べ物を食べながらライブを観ることもできます。小学生以下の子供が無料のため、子供を連れた客も結構います。
このフェスは、全体的に「縛りがゆるいイベント」だと思います。それに加え、「野外」という解放感もあり、「自由な雰囲気」にあふれています。そのため、「こう観なければならない」といったような、暗黙のルールがありません。ですから、踊りたい人は思い切り踊って観てますし、座ってじっくり観ている人もいます。
このように、「自分の好きなように楽しめる」という特徴が、このフェスにはあると思います。そういった雰囲気が好きなので、ついつい何度も参加してしまいます。
当日は、開演は16時ですが、開場は15時でした。自由席なので、早く行っていい席を取りたいと思ったので、15時前には、会場の外で待つようにしました。
リハが押していて、開場は15時から少し遅れました。15時を過ぎたところで、開場となりました。整理番号順に、入場しました。自分は、大体、真ん中くらいの番号でした。
「真ん中の席がいいな」と思っていましたが、開場に入ると、結構人がおり、真ん中の席はもう埋まっていました。仕方ないので、右寄りの席にしました。しかし、右寄りでも、しっかり見えるので、それほど問題はありません。
今まで、野音の椅子は、石のような硬い素材でしたが、今年からは、椅子が木の素材に変わっていました。そのため、座り心地は、多少良くなったと思われます。
開演の16時までは、椅子に座って、飲み物を飲みながら、まったりと過ごしていました。天気は、少し曇っていましたが、時々晴れ間も見えて、雨の心配はありませんでした。気温も、暑すぎず寒すぎずといた、ちょうどいい感じでした。
16時を少し過ぎたところで、開演となりました。最初に出てきたのは「トクマルシューゴ」でした。
トクマルシューゴ
トクマルシューゴは、バンド編成でした。普通の楽器だけではなく、おもちゃの楽器など、様々な楽器を使って演奏します。驚いたのは、「ジェット風船」も用いていて、ジェット風船の空気が抜ける音も「楽器の一つ」として利用していました。
おもちゃの楽器なども用いているせいか、全体的には、かわいらしい音の印象です。しかし、演奏技術は非常に高く、バンドのアンサンブルはしっかりしていて安定感があります。
トクマルさんの美しい歌声も、野外に気持ち良く響いていました。
「Rum Hee」や「Parachute」といった代表曲も演奏していました。
MCでは、「このイベントの終了後は、駅まで酔っ払いが列をなしていると聞いている」とか、「半年ぶりのライブですが、気持ちいいです!」と言っていました。
客は、トップバッターということもあるのか、座って聴いている人が多かったです。ただ、最前列の人は、やたら盛り上がっていました。
toe
2組目は、「toe」の登場です。
toeは、男性4人組のバンドですが、演奏前のステージを見ると、女性の姿もありました。「あれ、サポートメンバー?」「女性も加入したの?」と、少し疑問に思いながら、ライブが始まりました。
ライブが始まると、ギターがギンギンに歪んでいて、「あれ、toeのギターって、こんな歪んでたっけ?」とさらに疑問が増しました。そして、1曲目は非常にラウドな曲で、toeのイメージとはだいぶ違う曲で、ちょっと戸惑いました。
後で調べてみると、1曲目は、ブラック・サバスの「War Pig」のカバーだったようです。どうりで、やたら激しい訳ですね。そして、ステージに立っていた女性は、ゲストとして出ていた「コトリンゴ」さんだったようです。toeが、コトリンゴさんとつながりがあるというのは、ちょっと意外でした。
その後は、オリジナル曲を演奏して、toeらしさが戻ってきました。
toeのライブは、「繊細な美しさ」と「燃えるような激しさ」が同居しています。その感じが、何とも言えずグッときます。
そして、メンバーは、「こんなに動いてちゃんど演奏できるのか?」と思うくらい、激しく動きながら演奏しています。まさに、「感情を演奏にぶつけている」という感じです。
そして、最後は代表曲の「グッドバイ」を演奏し、メンバーも会場も非常に盛り上がって終了しました。
ROVO
トクマルシューゴとtoeのライブが終わり、いよいよトリのROVOの登場です。陽も、少しずつ暮れ始めてきました。
ROVOのライブは、最初は静かな曲から入ることもあるのですが、今回は、最初からある程度盛り上がる曲からきました。最初の曲から、立ち上がって踊っている人が多かったです。
ライブは、まさに「熟練」といったような、素晴らしい演奏を聴かせてくれます。そして、演奏だけでなく、「照明」や「映像」も素晴らしく、どんどんROVOの世界観に引き込まれていきます。そして、陽が落ちて暗くなると、「照明」や「映像」がさらに映えて、段々と現実感が無くなって、気持ち良くなっていきます。
このイベントを17年もやっていることも理由の一つかもしれませんが、曲構成も「完璧」と言えるものでした。基本的には、踊れるアップテンポな曲が多いのですが、客が踊りつかれた頃に、うまく静かな曲を挟んできます。静かな曲の時は、座ってまったりと聴いていました。
ライブを通しての「強弱の使い分け」が絶妙で、1時間半は演奏していたと思いますが、「長い」とは全く感じませんでした。体感時間としては、「あっという間」という感じでした。
ライブも終盤になると、酒が進んでいる客が多いこともあり、客席のほとんどの人が、立って踊りまくっていました。客席だけでなく、通路に出て踊りまくっている人もいました。
そして、最高潮の盛り上がりで、ライブの本編が終了しました。
アンコールでは、曲を演奏する前に、バイオリンの勝井さんがMCをしていました。出演してくれたトクマルシューゴ、toeと、観客に対して「ありがとう」と言っていました。
ただ、MCで「来年できるかわからない」と、気になることを言っていました。どうやら、来年はオリンピックがあるので、その影響で、開催できるかは微妙な状況のようです。
MCが終わって、長めの曲を1曲演奏し、20時前にライブが終了しました。観客は、みんな踊り狂っており、素晴らしいライブに、とても満足している様子でした。
自分自身も、相変わらずの素晴らしいライブが聴けて、大満足でした。
トクマルシューゴとtoeのライブも素晴らしかったのですが、ROVOのライブが終わると、「やっぱりROVOだな」という気持ちになりました。これは、毎回そう思います。どんなに素晴らしいライブをするゲストバンドがいても、やっぱりROVOが全てをもっていってしまうのです。それくらい、ROVOと野音の相性は、ばっちりだということでしょう。ROVOというバンドの素晴らしさを、「野音」という会場が、さらに押し上げている印象を受けました。
まとめ
「MDTフェスティバル」には何回も参加していますが、参加するたびに、「本当に素晴らしいイベントだな」と思います。
「出演するミュージシャン」、「会場」、「客の雰囲気」、全てが素晴らしいのです。こういったイベントは、なかなか他にないと思います。
「素晴らしいミュージシャンの演奏を、素晴らしい会場で、自分の好きなように楽しめる」ことは、とても贅沢な体験です。そういったイベントに今年も行くことができて、こちらこそ勝井さんに「ありがとう」と言いたくなります。
来年の開催はどうなるかわかりませんが、素晴らしいイベントなので、なんとか来年も開催してくれることを願っています。