誰だって、困難に直面すると、「何で自分だけがこんな目にあうんだ」と思ってしまうものです。
そして、そのような困難に直面しなければならない運命を恨むようになってしまったりします。
自分は、何年か前に、右手の手首をひねってケガをしたことがありました。
なかなか痛みがひかず、病院に行くと、「TFCC損傷」と診断されました。
「TFCC損傷」は、日本語だと、「三角線維軟骨複合体損傷」といいます。
難しい言葉ですが、要は、手首にある「三角線維軟骨複合体」が傷ついている状態です。その状態で、「ドアノブを回す」、「運転中、ハンドルをきる」などの手首をひねる動作を行うと、ピリッと手首に痛みが生じます。
自分の場合は、それほど強い痛みではありませんでしたが、日常生活の中で、手首をひねる動作は、沢山あります。そのたびに手首にピリッと痛みが走っていました。
一応、手首にサポーターをしていると痛みはマシになりましたが、痛みを取ることはできませんでした。
しかも、厄介なことに、TFCC損傷は、治るのに非常に時間がかかります。
自分の場合は、手首をひねる動作をしても痛みが出なくなるまでに、半年くらいかかりました。
しかも、現在も「完全に治った」とは言えません。TFCC損傷の後遺症か、右手を使いすぎると、右手首に痛みが出ることがあります。
そのため、今も、右手を使いすぎないよう気をつけています。
TFCC損傷となってすぐの時期は、右手を使うたびに痛みが走るので、かなりストレスがたまっていました。
そして、なかなか治る気配がありません。そうなると、「何で自分だけがこんな目にあうんだ」と、運命を恨みました。
しかし、ふとした時に、「自分は、ケガからの復帰を目指しているスポーツ選手だ」と妄想して遊んでみたことがありました。
「自分は、プロ野球選手だ。試合中、右手首をケガしたが、今、必死でリハビリをして、ケガと戦っている」という感じで。
そうすると、段々と、「ケガと戦って、復帰を目指している自分は偉い」という気分になってきました。
そうすると、不快な気持ちが少しまぎれることに気づきました。
スポーツ選手にとっては、ケガはつきものです。
ケガが原因で引退する選手も多いです。
しかし、中には、大ケガをしたけれど、ケガを乗り越えて復帰する選手もいます。
観客は、そういう選手には、惜しみない拍手を送ります。
それは、「ケガという困難と戦った姿」に感動しているからです。
しかし、有名なスポーツ選手ではない普通の人でも、みんな、何らかの困難と戦っているはずです。
人は、生きていれば、必ず何らかの困難とぶつかります。
しかし、みんな、困難と向き合いながらも、なんとか日常生活を送っていたりします。
それは、よく考えると、「とても凄いこと」であり、「感動的なこと」でもあります。
だから、今現在、困難に直面している人がいたら、「自分は、困難に直面しているスター選手だ」とでも思っておきましょう。
そして、困難に立ち向かっている自分を「凄い」「偉い」というようにどんどんほめましょう。
そうすると、不思議と困難に立ち向かう意欲が出てきたりします。
ただ、それを聞くと、「なんかナルシストっぽい」とか、「自分に酔ってる」と批判する人もいるでしょう。
でも、自分に酔うことで、困難と向き合おうという気持ちが出てくるなら、安いものです。
どんどん自分に酔っていきましょう。
「困難と戦うこと」というのは、どんな小さなことであれ、凄いことだと、僕は思います。
でも、小さな困難になると、戦っていても、他人はほめてくれません。
それならば、自分で自分をほめるようにしましょう。
自分でほめて、気分を盛り上げることで、困難の多い日常を、うまく乗り切っていきましょう。