人は、一人でいると、つい、「寂しい」と思ってしまったりするでしょう。
また、一人でいると、周りから、「あの人、一人ぼっちなんだ」と見られているような気がして、落ち着かなくなったりする人もいます。
確かに、人と交流することで楽しめることは沢山あります。
でも、本当に、一人でいることはそんなに悪いことなのでしょうか?
よく考えてみると、一人でいることのメリットは沢山あります。
まず、一人でいることはとても「自由」です。
誰かといると、自分が「こうしたくない」と思っていても、他の人の意見に合わせなければならない時もあります。
しかし、一人でいる時は、自分のしたいことを自分一人で決められます。
2つ目に、「物事をじっくり考えられる」というメリットもあります。
誰かといると、相手と交流することに気を取られてしまうから、何かをじっくり考えるということがしにくくなります。
確かに、「人と一緒に考える」と、自分が思いつかなかった意見を聞けるというメリットがあります。
しかし、「人と一緒に考える」ということは、必ず誰かの意見が入ってくるということです。
そればかりをやっていると、「自分一人で考える力」が育たなくなる恐れもあります。
「自分なりの答え」を出すためには、最終的には、一人でじっくりと考えるしかありません。
一人でじっくりと考えることを何度も行っていくと、段々、「自分なりの考え方」ができるようになってきます。
3つ目に、一人だと、芸術作品をじっくりと味わえるというメリットもあります。
これも、他の人と一緒に楽しむという方法もありますが、自分一人で作品と向き合った方が、その作品の魅力を深く味わうことができます。
また、一人でいると、「寂しい」と感じるかもしれませんが、その寂しさを知っていないと楽しめない芸術作品もあります。
芸術作品の中には「孤独」をテーマにしたものが沢山あります。なぜかというと、多くの芸術家は孤独だからです。
ものを創り出す作業というのは、「自分と向き合う」作業です。
そこに大きな喜びを見出しているから、芸術家は作品を作るのですが、そこには必ず「孤独であることの寂しさ」がついてまわります。
そういう「寂しい気持ち」を芸術作品として出しているものも多く見られます。
そういう作品に触れる時、自分自身が「孤独の寂しさ」を体感していた方が、よりその作品の魅力がわかり、それを深く味わうことができるのです。
このように、「一人でいること」のメリットは、実は沢山あります。
ただ、誤解しないで欲しいのは、人と交流する楽しさを否定している訳ではないということです。
もし周りに「この人と一緒にいると楽しい」という人がいるなら、その人と過ごす時間を思い切り楽しみましょう。
しかし、偶然、「一人でいなくてはならなくなってしまった時」は、無理に誰かと交流しようとする必要はありません。
そういう時、寂しさに負けて、大して会いたくもないのに、なんとなく会える人と会ってしまう人がいます。
しかし、そういう人とは、「ただ寂しさを埋めるだけ」の関係になってしまうことが多いです。
そうなると、せっかく会っても、お互いのことを高め合える関係になりません。
だから、偶然、一人になってしまった時は、無理に誰かと会わず、「一人でいることの楽しさ」を思い切り味わうようにしましょう。
一人の楽しさがわかるようになると、一人でいることも怖くなくなります。
そうなれば、「誰かと一緒にいること」も、「一人でいること」も両方楽しめるようになって、人生の楽しみの幅が、ぐっと広がります。