「心の傷つきやすさ」は、人それぞれ違います。世の中には、なかなか心が傷つかないタフな人もいます。
反対に、些細なことで深く傷ついてしまう人がいます。
そういう人は、「なるべく、傷つきなくない」と思って過ごしています。
ただ、「心が全く傷つかない」ということは日常生活を送る上で不可能です。
日常を過ごしていると、予期せぬところで心が大きく傷ついてしまう出来事が起こります。
そんな時は、「何で自分がこんな目に会うのだ」と、運命を恨んでしまったりします。
しかし、恨むばかりではどんどん悪い方向に行ってしまいます。
それならば、運命を恨むのではなく、「傷ついた経験をうまく活かす」ようにしたいところです。
そもそも、「心が傷つく」のは、悪いことばかりなのでしょうか。
よく考えてみると、「心が傷ついてしまったことによる利点」もあるということに気づきます。
「優しい人」というのは、辛い経験を沢山している場合が多いです。
あなたの周りにも、そのような人はいるのではないでしょうか。なぜ、「辛い経験をすると、人に優しくなれる」のでしょう。
おそらくそれは、心が傷ついた時に、今までに気づかなかったことに気づけるからではないでしょうか。
例えば、「心から信頼していた友人に裏切られる」経験をすると、心は傷つきます。
しかし、そういう辛い経験をしたからこそ、「普段、自分と当たり前に接してくれる人がいることのありがたさ」を感じたりします。
こういうことは、「裏切られる」経験がないと、なかなか気づけないものです。
人は傷つくと、今まで意識しなかった人の気持ちに気づくようになるので、優しくなります。
だから、「傷つく」という経験から学べることは、実は、すごく多いのです。
また、心が傷つくと、今まで気づかなかったことに気づくことができるため、そこから面白い表現が生まれることもあります。
「悲しみ」の経験をもとに、優れた芸術作品が生み出されることも多いです。
このような芸術作品は、作者が悲しみの経験をしていなかったら、深みのある作品にはなっていません。
作者が悲しみを経験したことで表現の幅が広がり、面白い表現になったりするのです。
人は、日常生活を送っていると、必ず心が傷つく出来事が起こります。
それは避けられないことです。
しかし、ここに挙げたように、「心が傷つく」という経験をすることには利点も多いです。
「なるべくなら傷つきなくない」とつい思ってしまうのは仕方のないことですが、もしあなたが傷ついてしまったのなら、その利点を活かすようにしましょう。
人は、傷ついて、その経験を活かしていくことで段々と深みが出てきます。
だから、人としても深みを出すためには、傷つくことを恐れずに行動していくようにしましょう。