「勝ち組」「負け組」という言葉があります。
自分の立場について考えた時、「自分は勝ち組に入っている」と思えば気分は良くなります。
逆に、「負け組に入っている」と思えば、絶望的な気分になったりします。
今の日本は、資本主義社会なので、一般的に、収入を基準に語られることが多いです。
年収が多い人が「勝ち組」と言われて、年収が少ない人が「負け組」と言われたりします。
または「結婚しているか、いないか」で「勝ち組」「負け組」と分けられる場合もあります。
「結婚していて、年収が多い人は勝ち組」「結婚していなくて、年収が少ない人は負け組」という感じで。
そして、「結婚しているかどうか」というのも、実際は収入によって決まる部分が大きくなっています。
収入が多い人は、生活が安定するので、「では、結婚しようか」という気になりやすく、結婚する人が増えます。
逆に収入が少ないと、「とても結婚なんかできない」と考え、結婚しない人が増えます。
では、「勝ち組」になったら必ず幸せになれるかというと、そうとも言い切れません。
確かに、「勝ち組」と呼ばれている人の中には、幸せそうな人もいます。
しかし、「勝ち組と言われている人」をよく見てみると、常に何かに追われていて余裕がなく、全然幸せそうじゃない人も多いです。
逆に、世間的には「負け組」と見られているような人の中にも、お金はあまりなくとも、ゆったりと自分のペースで生活していて、幸せそうな人もいます。
せっかく「勝ち組」に入ったのに、幸せを感じられない人がいて、「負け組」に入っているのに、幸せに過ごせている人がいるなら、「勝ち組に入ること」に、そこまでこだわる必要はない気がします。
それならば、「勝ち」「負け」という基準ではなくて、「自分の満足感」を基準に考えた方がいいでしょう。
人と比べて「勝った」「負けた」と思うのではなく、「自分が満足したかどうか」を考えていくようにしましょう。
そこで、「今は、収入が少なくて満足できない」という人は、もっと収入の得られる仕事を探して、収入を増やす方法を模索すればいいと思います。
次に、収入が少なかったとしても、自分の今の生活にある程度満足できている人がいたら、そのままの生活を続けていけばいいと思います。
ただ、資本主義社会の中で生きていると、「もっと収入を増やせば、もっと満足感が得られる」という雰囲気が支配しています。
その雰囲気にのまれて、収入が少ない状態でも満足しているのに、「もっと働いた方がいいのかな?」と不安になる人もいます。
しかし、現在の生活に満足しているなら、無理に収入を増やす必要はないと思います。
なぜなら、無理に収入を増やそうとすると、自由になる時間が減り、それにより満足感が得られなくなるおそれがあるからです。
「勝ち」「負け」ではなく、「自分の満足感」を基準に考える癖をつけると、必然的に人と比べることが少なくなります。
なぜなら、満足感を基準にすれば、自分が満足していればそれでよくなる訳ですから、周囲が沢山お金を持っていたとしても、あまり気にならなくなります。
それにより、無駄な劣等感を感じなくてすむというメリットもあります。
「勝ち組」というのは、言い換えれば、「お金を沢山稼ぐことで、資本主義社会の中で勝ってきた人」のことです。
そこに興味のある人は、資本主義の中で勝つことを目指せばいいでしょう。
しかし、「資本主義社会の中で勝つこと」にあまり興味がない人は、その基準に従ってしまうと、劣等感ばかりが増え、不幸になってしまいます。
だから、特に、「資本主義の中で勝つこと」に興味のない人ほど、「満足感」を基準に自分の生活を考えていった方がいいでしょう。その方が、幸せになれる確率は上がるはずです。