自分は、「自分の人生、この先はずっと消化試合かな」と思って落ち込んでしまうことがたまにあります。
しかし、この前そういうことを考えていたら、ふと、「消化試合って、そんなに悪いものなのかな?」という考えが浮かんできました。
自分は野球観戦が趣味なので、野球をベースに「消化試合」について説明します。野球で消化試合というのは、「順位が決まってしまった後、残された試合」のことです。
野球チームというのは、皆、「1位」を目指して戦っています。
そして、仮に1位が取れなかったとしても、1つでも上の順位を目指そうとするものです。
しかし、リーグ戦が進み、順位が確定してしまうと、「まだ試合は残っているけど、勝ったところで順位は変わらない」という事実に直面します。
そうなると、下位に沈んだチームは特に、やる気がなくなります。そして、見ている方も、やる気がないプレーを見せられるため、「消化試合は面白くない」と思われがちです。
しかし、少し見方を変えると、消化試合にも良い点があることに気づきます。
優勝争いをしているチームというのは、「優勝がかかっている」と思うと、緊張して選手がガチガチになってしまうことがあります。
そして、野球というのは、一つのミスが命取りになるスポーツです。
一つのエラーがきっかけで、大量失点をしてしまうケースもあります。
優勝がかかっているチームの選手というのは、「ミスをしないようにしよう」という意識が今まで以上に強くなります。
そのため、あまり冒険はせずに、「手堅いプレー」が多くなっていきます。確かに勝つためにこういったことは必要ですが、時にそれは、観客にとって、「面白くないプレー」と映ることがあります。
それに対して、「消化試合」は、「勝っても負けても、あまり関係ない試合」です。そのため、逆に思い切ったプレーができるという利点もあります。
例えば、外野手の前に、取れるか取れないかきわどい打球が来たとします。
優勝がかかっているチームだと、外野を抜けると大量失点になるので、無理はせず、ワンバウンドで処理をしがちです。
しかし、消化試合をしているチームなら、「抜けたところで大して変わらないや」と思えるので、ダイビングキャッチに行きやすくなります。そこでダイビングキャッチにいって、うまく取れたら、「スーパープレー」になります。
そのため、実は、「消化試合だからこそ見れる、スーパープレー」というものもあります。これは、消化試合だからこその、「開き直り」によって生み出されます。
そういう意味では、「開き直り」というのは、実はすごい可能性を秘めていると言えます。
もし、あなたが、人生がうまくいかなくて、「残りの人生、消化試合だ」と思っているのなら、落ち込むのではなく、どうせなら、「開き直って」みましょう。
そこで、「今までやりたかったけど、怖くてできなかったこと」を試してみましょう。
「失敗したところで、元々消化試合だから」と思えば、失敗することもそれほど怖くなくなります。
ただ、開き直ってやりたいことをやりだすと、周囲の人で、批判してくる人もいるはずです。
「そんなことしてたら、将来どうしようもなくなるぞ」とか、「もっと先のことをちゃんと考えろ」などと説教をしてくる人も出てくるはずです。
ですが、そういう人の話はちゃんと聞かなくていいです。自分が、その人の言われた通りにやって、失敗しても、その人が責任を取ってくれる訳ではないですから。
だから、もしあなたが、「人生、残りは消化試合だ」と思ってしまったのなら、今できる「面白そうなこと」や「バカなこと」に本気で取り組んでみましょう。
それが人から見てバカバカしいことであっても、本気で取り組んでいたら、1人や2人くらいは、「面白そうだな」と思ってくれる人はいます。
そういう人とつながっていくと、面白い方向に人生が転がっていくことだってあります。
消化試合であれば、失敗してもダメージは少ないですから、それなら思い切って開き直って、自分の好きなことをやっていきましょう。